5.強奪

地獄待ちの玲子

いつの間にか手錠をしたまま寝てしまったようだ。気が付くと、玲子は健二の隣で、ベッドヘッドによりかかって、何かを見ていた。
「おい、そんなもんどっから出してきたんだ」
それは健二のアルバムだった。
「ふふふ、見つけちゃったの。これが健二の彼女さん?」
見ると去年海水浴に行った時に浜辺で撮った、健二と玲子が寄り添っている写真だった。慶子は黒いビキニを着ていて、まるでグラビアアイドルのようだった。黒い水着のブラにかっちりと寄せ上げられた大きな乳房は、綺麗な半球形を描いて盛り上がっていて、思わず手を伸ばして握り締めたくなるようなエロさだ。健二はその日、浜辺ですれ違う男たちの多くが、慶子をいやらしい目で舐める様に見てきたのを想い出した。そして下半身に食い込んでいる黒のハイレグも、慶子のそこの曲線を露わにしていて、男なら誰しもムラっと来るいやらしさだった。黒のハイレグ・ビキニのような攻めている水着を着た場合、それがカッコよく見える女と、妙に淫靡でエロい感じになる女に分かれる。慶子は圧倒的に後者で、スタイルは悪くないのだが、どちらかというと和風の顔立ちと、異様に白い肌、そしてアンバランスなほどの豊満な乳房が、たまらなくいやらしく、そそるのだった。
「ずいぶんオッパイ大きいね。健二は大きいのが好きなの?」
「別に、それほど意識したことはないなぁ」
そう言いながら改めて玲子を見ると、玲子はいつの間にか下着を付けており、それは偶然にも黒の上下だった。小ぶりだがちゃんと量感のある乳房が、小さめのブラに締め上げられて、綺麗な谷間を作っている。黒のパンティはハイレグではなくビキニタイプで、浅い股上がブーメランのような曲線を描いて下腹に張り付いている。太腿の付け根の三角地帯はぷっくりと膨れており、健二はそこを指でついて柔らかさを味わってから、鼻先を埋めてキスしてやりたい衝動にかられた。
(ハイレグよりビキニの方が断然エロイな。この股上の浅さだと、多分、お尻の割れ目を隠しきれず、パンティの外に飛び出しているんだろうな)
そう考えると、健二は、また、むくむくと回復してくるのだった。
玲子が手錠でつながれたままの健二の両手を、ベッドのヘッドにつないだ。健二は万歳をする形になった。
「おい、何すんだよ」
「何するって、いいことにきまってるじゃない」
玲子が悪戯っぽく笑った。
「ちょっとサービスしてあげるよ」
玲子がベッドから降りて、その傍らに立った。
「なぁ、そのまま後ろを向いてくれよ」
「なんで?」
「後姿が見たいんだ」
本当はズバリお尻が見たかったのだ。玲子は何も言わず健二のリクエストに応じて、背中を向けた。まるまるとしたお尻を黒のパンティがぴったりと包んでいる。そして思った通り、パンティの股上が浅いので全てを隠し切れず、お尻の上側がはみ出していて、割れ目が顔をのぞかせていた。
「もっといいことしてあげる」
そういうと玲子はベッドの上にのり、健二の顔をまたいだ。
(おい、何だよ。いやらしいところが丸見えじゃないか)
むき出しのパンティを下から覗かれているのに、玲子は全く気にせず、それどころかゆっくりと腰をおろしてきた。黒いパンティに包まれた、玲子の女の部分が健二の顔に近づいてきた。
(す、すごい)
とうとう玲子が健二の顔の上にしゃがみ込むかたちになった。そして、ぷっくりしている膨らみに健二の鼻先が埋まった。
「おおおお」
健二はうめくと、我慢できなくなって、鼻先でそこを擦るように刺激し始めた。
「あああ、いいよ。濡れちゃうよ。もっとやって」
健二の動きに刺激され、玲子があえぎだした。
「ダメ…アソコ、いっぱい濡れちゃう…」
健二の鼻先に甘酸っぱい香りが広がってきて、とうとうパンティに小さなシミが現れた。
(こいつ、濡れやすいなぁ…。うんと感じさせてやる)
健二は我を忘れて、鼻先でその部分をこすりまくった。玲子のあえぎ声がますます大きくなってきた。
その時、ベッドの上に転がっていた健二のスマホが鳴った。玲子は素早くそれを拾い上げると、健二の耳元にあてがい、受信アイコンをクリックした。それは慶子からの着信だった。
「いくらラインしても返事がないじゃない。どこにいるのよ」
慶子のいらついた声が飛び込んできた。
「悪い、悪い。会社の飲み会で酔っちゃって、帰ってきたら寝ちゃって、今、起きたところなんだ…おおぅ」
突然、健二が素っ頓狂な声を上げた。足元に回った玲子が健二のトランクスを引きずりおろし、挑むような目つきで見てきたのだ。玲子はためらわずブラを外すと、前かがみになって、健二のそれを乳房の間に挟み込んだ。そして両手で乳房を寄せ上げると、前後に動いて、パイズリを始めるのだった。
「なに?どうしたの」
「うわぁぁぁ。ご、ごめん。ちょっとトイレに行きたいから、いったん切るよ。すぐにかけなおすからね」
二の腕と耳で挟んでいたスマホを手の位置までずらすと、健二は慌てて電話を切った。
「おい、何してんだよ」
玲子は無言で顔を上げるとにっこりとほほ笑んだ。そして健二を口に含むと、いやらしい音をたてながらしゃぶり出した。それは健二のエロツボを知り尽くしたしゃぶり方だった。
再びスマホが鳴った。玲子はそれをとるとスピーカーをオンにして、電話をつないだ。
「もしもし、健二?もしもし」
慶子の声が部屋の中に響いた。
玲子が声を立てずにクスクスと笑いながら、スマホを片手にフェラチオを始めた。わざと電話で聞こえる様にいやらしい音を立てながら、玲子がしゃぶり続けた。
「なによこの音」
明らかに不機嫌になった慶子の声が響いた。
「テレビだよ、テレビ」
健二は慌てて大声で言い訳した。
「テレビって、何見てんのよ」
答えがとっさに浮かばずに、健二は言い淀んだ。
「テレビじゃないよ」
突然、玲子がスマホにしゃべりかけた。
「ええ…」
知らない女が電話に割り込んできて、慶子が絶句した。
「あたしが健二をしゃぶっている音、聞こえるでしょ」
「誰よ、あんた。なにしてんのよ」
ヒステリックな慶子の声がこだました。
「だからしゃぶってるって言ってるじゃない。いくら頼んでもアンタがフェラしてくれないっていうから、かわいそうになって、代わりに私がフェラしてるの」
じゅるじゅるといやらしい音をわざと立てながら、玲子がしゃぶり続ける。
「ちょっと、ふざけないでよ」
「ふざけてないよ」
玲子が再び健二を口に含んで、今度はじゅぼじゅぼと吸い上げた。
「あんた、誰よ」
「私は玲子。健二の新しい彼女です」
「何だって!」
「もう昨日から健二とは生でやりまくって、いっぱい中だしされてるの。赤ちゃんできてるかもね。だから健二は渡さない。もう私のものだからね」
「バカな事言わないでよ。健二に代わりなさい」
「やだよ。じゃあね、ばいばい。オッパイお化けのブス!」
そう言い放つと玲子はスマホの電源を切って、ベッドの上にほうり投げた。
「ああ面白かった。ねぇ、彼女さんに聞かれながらしゃぶられるのって、興奮するでしょ」
「えええ?…」
あまりの展開に混乱した健二だったが、玲子のいうことは当たっていた。慶子の罵声を聞きながら玲子にフェラされるというシチュエーションで、健二は異様に興奮したのだった。
「ほ~ら、こんなに固くして、かわいいね。今、搾り取ってあげるからね」
玲子がフェラのピッチをあげて、フィニッシュに入った。
「うぉぉぉぉ」
健二はあえなく玲子の口の中で果てた。ずるずると玲子がそれを飲み込む音が部屋にこだました。
「やっぱり健二は強いよ。搾ったばっかりなのに、まだぎんぎんに立ってる」
口を拭いながらパンティを脱ぎ捨てると、玲子が健二の上によじ登ってきた。
「そろそろ手錠を外せよ」
「まだだよ。もう一回、楽しいことしてから…ねぇ、キスしよ」
そういって玲子が唇をかぶせてきた。左手で健二のものをしごきながら、舌を入れてくる。口の中を玲子の舌が這いまわった。たまらなくなった健二は、音を立ててその舌を吸い上げた。そこから、お互いを吸い合う音が部屋の中にこだまして、健二は異様に興奮した。
「もういっぱい濡れちゃった。健二の、ちょうだいね」
そういうと玲子は体を合わせたまま大きく股を開き、健二のものを誘導していった。そして既にヌルヌルになっているそこにあてがうと、腰をうねらせて一気に呑み込んだ。
「ああああ」
あまりの気持よさに健二がうめいた。玲子はまるで大木にしがみつくように、ベッドの上で1本の棒になって体を伸ばしている健二にしがみついた。そして正常位で男が女を攻めるのと同じ姿勢で、巧みに腰をつかいながら、健二のそれをしごき上げるのだった。
「おお、そこがいいよ。すごく気持ちがいい」
玲子の奥の方にはお臍側にざらざらとしている場所があって、そこに先端をこすりつけられると、健二は腰が抜けるほど気持ちがよかった。
「あたしも奥がいいの。健二の固いのが当たって、すごくいい」
こうした玲子のあけすけな物言いが、健二の興奮をさらに高めるのだった。
玲子の体が健二の上をすべる音や下腹を打ち付ける音、さらに玲子のあそこが出し入れする度に、まるで猫が水を飲んでいるかのようないやらしい音をたてた。激しく口を吸い合う音、そこに玲子のよがり声がからんできて、二人の五感は刺激され、一気に駆け上がっていった。
(こんなに気持ちいいの初めてだ)
「ああ、健二、いっちゃうよ。あたしもうだめだよ」
「おお、いいよ。出るよ、出るよ」
「全部ちょうだい」
とどめを刺すように玲子が大きく腰をうねらせると、健二は引きつりながら、どくどくとその中に出すのだった。

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