ある大手のテキスタイル・メーカーのVIPフロア。販売促進部に所属する外崎里恵は、常務取締役に呼びつけられて、その廊下を急いでいた。
チャコール・グレーのひざ丈のタイトスカートのスーツに白いブラウス。黒のパンプスで颯爽と歩く里恵は、すれ違う男たちが振り返るほどの美形だった。目鼻立ちがはっきりとしていて、笑うと口角がハート型に切れあがる派手な口元は、まるでハーフのモデルのようで、しかも里恵は実は東北出身なので、肌がきめ細かく透き通るように白かった。170センチ近い長身なので、腰が普通の女子よりあきらかに上の方にあり、カモシカのようなしなやかな美脚の持ち主でもあった。その一方、ヒップラインはむっちりと豊満で、女のフェロモンを振りまくのだった。きゅっと締まったウエスト、そしてジャケットに隠れているが、推定Fカップはありそうなボリュームのある胸が、ヒールで床を刻むたびに、ジャケットの下で揺れていた。そんな里恵がセミロングの髪をなびかせて、常務室へと急いでいた。
部屋にたどり着くと、そこで告げられたのは、里恵が思った通り、3か月後にオクスフォード大学へのMBA留学の辞令が下るという内示だった。これを目指して入社し、以来5年間、人一倍仕事に打ち込んできた里恵にとっては、夢がかなったとびきりの瞬間だった。
もともと里恵はぶ厚い眼鏡をかけたガリ勉タイプの女子高生で、大学進学のために東北から上京してから一気にあか抜けたという、典型的な大学デビュー組だ。都内の国立大学の経済学部を優秀な成績で卒業する一方、大学2年の時から総合商社に勤めるビジネスマンとつきあい、その男に処女を捧げていた。里恵の卒業時、同じタイミングで海外駐在が決まった彼に、結婚して一緒についてきて欲しいと懇願されたが、悩んだ末、別れを決意した。結婚より自分のキャリアを選択したのだった。
そんな勝気で上昇志向の高い彼女が密かに狙っていたのは、海外へのMBA留学だった。当時、大手企業ではこぞって社内選抜による海外留学制度を完備していて、里恵はその中からオクスフォードに留学できるこの会社を選んだのだった。
「君には期待しているから、頑張ってくれよ」
「はい、ご期待にそえるよう頑張ります」
里恵は常務の励ましに、満面の笑顔で答えた。
内示が出たその日は、先週終わった大がかりな展示会の打ち上げが予定されていた。今回の展示会では里恵たち販売促進部の頑張りもあって、大型の商談が複数決まっていて、その分、打ち上げも豪華なものが準備されていた。会場である都内の一流ホテルのバンケットには、里恵たち展示会を企画・運営した部のスタッフ一同を始め、主要な下請け先や、営業部など社内の関連するセクションの社員たちも大勢参加していた。
MBA留学の内示も貰い幸福感に包まれて談笑する里恵のもとに、あだ名はグズオもしくは便利屋と呼ばれている田中久寿男が遅れてやってきた。グズオは165センチで80キロというデブ男で、糸のように細い目と顔の真ん中には横に広い鼻があぐらをかいていて、一度見たら忘れられない滑稽な風貌をしていた。汗っかきのグズオは、いつも首からタオルをかけていて、せわしなく汗を拭っているのだった。グズオは社員ではなく外注さんと呼ばれる社外スタッフで、展示会に必要なこまごまとした備品やデザイン物を器用に安く調達してくるという特技があった。誰かの紹介で販売促進部にもぐりこみ、いつの間にかスタッフたちに重宝されるポジションを獲得していたのだった。そんなグズオを目の端に捉えながら、里恵は事業部長や同僚たちと仕事の苦労話に花を咲かせていた。つまり里恵はグズオを歯牙にもかけていなかったのだが、一方のグズオはつかず離れず里恵をねちっこい視線でじっと見つめているのだった。
どのくらい時間がたったのか分からなかった。ぼんやりとした意識の中で、見慣れない天井の照明が像を結んできた。いつの間にか里恵は、見知らぬ部屋のベッドに寝かされているらしかった。バンケットでシャンパンとワインをあけ、2次会のカラオケで歌を歌い、その勢いでどこかのバーでテキーラを飲んだ。そんな記憶が薄っすらと蘇ってきたが、里恵は今の状況を飲み込めなかった。
(あれ、ここはどこ?)
ベッドから起き上がろうとして、里恵は自分が裸であることに気づいてはっとした。
(ウソ、なんで)
慌てて体をまさぐると、ブラだけでなく、自分がパンティも脱ぎ去った全裸であることに気が付いた。
「目が覚めた?」
男の声がする方向を見た。ベッドサイドのスツールに、グズオが座っていた。
「ちょっと、どういうこと」
里恵は毛布で体をきつく隠しながら言った。
「へー、覚えてないんだ。昨日はあんなに激しく愛し合ったのに」
よく見るとグズオもトランクス一枚だった。だらしなく垂れ下がった大胸筋と太くたるんだ二の腕、トランクスのゴムは醜い贅肉の中にめり込んでいた。
「ウソ言わないで」
「ウソじゃないよ」
里恵は毛布の中で、自分の指先を股間に滑らせた。グズオの言う通り、内股がセックスの残滓で、明らかにガビついていた。
(ああ、やられてる。こんな奴にやられちゃった)
里恵はショックで泣き出したいのを懸命に堪えた。
「そろそろ起きてシャワーを浴びないと。そのままじゃ臭くて、二回戦もできないよ」
「ふざけないで」
里恵は怒鳴った。
「あんたとなんかやるわけないでしょ。この変態豚野郎」
「ずいぶんとご挨拶だね」
にやついたグズオは素早く立ち上がると里恵に手を伸ばした。そして躊躇なく髪の毛を掴みあげると、里恵をベッドから引きずり出した。
「いやああ、痛い、痛い、やめて」
髪の毛が抜けそうな激痛に誘導されて、里恵はベッドから引きずり出され、浴室へと引きずられていった。そのまま浴室の床にへたり込んだ里恵の前に、グズオが仁王立ちになった。
「さあ、おれのパンツを脱がすんだ」
あまりに唐突な要求に、里恵はあっけにとられてグズオを仰ぎ見た。
「早くしろ!」
グズオはそう怒鳴ると、いきなり里恵をピンタした。
「ひぃ」
打たれた里恵が悲鳴を上げた。
「早くやるんだよ」
グズオは躊躇なく二発目のピンタを食らわした。ありえない暴力に怯えた里恵は、言われた通りにグズオのトランクスを引き下げた。目の前に、まるでばね仕掛けのように野太いペニスが飛び出してきて、グズオの下腹を叩いた。それは里恵が知っている誰のものよりも格段に大きかった。
お湯が張ってないバスタブに立たされて、里恵は頭からシャワーをめちゃめちゃにかけられた。
「うぐぐ、息ができない。もうやめて」
「いちいち、うるせえんだよ」
グズオはシャワーを上のフックに固定すると、里恵を無理やり壁に押し付け、唇をうばった。
(やだ、汚い。お願いだからやめて)
何とか逃げようとしたが、グズオの圧倒的な力が、里恵の動きを封じていた。そしてぐちゅぐちゅと音を立てながら、唇を思う存分犯してくるのだった。
「ほら股を開け」
太腿を思いっきり叩かれて、里恵はしぶしぶ足を開いた。グズオはニヤニヤしながらハンドソープを手に取ると、両手をこすり合わせて泡立てながら言った。
「よく洗わないと匂うからな」
そして有無を言わさず股の間に手を入れると、里恵の恥ずかしい部分をつるつると洗い始めるのだった。
「どうだ、気持ちがいいだろ。やさしく洗ってやるから、感じてもいいんだぞ」
そういいながら、グズオは微妙な指使いで洗い続ける。指が一番敏感な突起を探り当てる度に、里恵は体をびくっと震わせた。
「後ろを向け」
ためららう里恵に怒号が飛んだ。
「ケツをこっちに向けるんだよ」
里恵がいやいや後ろ向きになると、グズオは平手で思いっきりお尻を叩いた。
「ぎゃ」
里恵がうめいた。その悲鳴を楽しむかのように、グズオは大きな音を立てて、何度も里恵のお尻を叩いた。叩かれる度に尻の肉がプルプル揺れて、抜けるように白かった尻が真っ赤に腫れてきた。
「痛い、やめて。もう叩かないでください」
「最初から素直にそうお願いすれば、沢山叩かれないで済むんだよ。分かったか?」
「…」
「返事をしろ」
そう言ってグズオがもう一発尻に平手をかました。
「わかりました。ごめんなさい。ごめんなさい」
叩かれる痛みと恐怖、そして恥ずかしさに、里恵は初めて許しの言葉を口にした。
「へへへ。ちゃんということを聞くじゃないか。やっといい子になってきたな」
グズオは中指にソープをつけると、里恵のお尻の割れ目にスルっと這わせた。そして指を何度か割れ目に滑らせた後、いきなり突き立てて、里恵のアナルに指を突っ込んだ。
「やあああああ。やめて。痛いの。痛いから、そんなことしないで」
里恵が狂ったように声を上げた。しかしグズオはそれを無視して、アナルに突き入れた中指をぐりぐりと回すのだった。
「答えてみろ。お前のアナルは処女か?」
「えええ?ええっ」
「ちゃんと答えろ。お前は他の男とお尻でやったことがあるんだろ」
「ありません。そんなことしません」
「じゃあ、お尻は処女だな?」
アナルへの厳しい指攻めに気が動転してしまった里恵は、グズオのいいなりに、恥ずかしい言葉を口にするのだった。
「処女です。…里恵のお尻は男を知りません」
「へへへ、かわいいなぁ。じゃあ、その処女はいつかオレがもらってやるよ」
そういうとグズオは指を抜いてひざまずいた。そして里恵の尻肉をほおばると思いっきり噛みついた。
「痛い、痛い。お願い、噛まないでぇ、うううう…」
里恵の泣き声が、浴室にこだました。
「どうしてそんなとこ噛むの?いったい何を考えてるの?」
べそをかきながら里恵が言った。
「何も考えてない。でもね、お前は僕の好みで、どストライクの女なんだ。だから他の男にとられないように、お尻に印をつけてやったんだよ」
「ウソよ。自分が好きな人に、こんなに酷いことはしない」
「ああ、僕がお前をいじめる理由が知りたいのかい。それはね、お前がマゾだからだよ」
そういってグズオは里恵を睨みつけた。