3.調教の倉庫

Mの刻印 里恵

グズオに、酔っている間にラブホテルに連れ込まれた翌朝、里恵は何事もなかったかのように出社した。まさかあのパーティの後に、グズオにラブホテルで裸を弄ばれたとは誰も気付いていないようだった。
一方、里恵は知らなかったが、実はグズオは素股で射精しただけで、最終的な思いは遂げていなかった。ただ里恵が意識を失っている間、素っ裸に剥いて恥ずかしい恰好させ、写真や動画を撮りまくることで、里恵の弱みを握ったのだった。
さらに独自のルートから、グズオは里恵に留学の内示が出ていることも知っていた。
(留学まで、里恵はことを荒立てなくないはずだ)
これはグズオにとって好都合であり、同時に自分の夢を実現する最後のチャンスでもあった。逃げ回る里恵を捕まえて、がんじがらめに縛りあげたい。あの柔らかく豊満な乳房を縄で絞り上げるように縛って、飛び出して敏感になった乳首をコリコリと甘噛みしたい。そして里恵の一番恥ずかしい部分が丸見えになるように無理やりM字開脚に縛って、そこを思う存分舐め回したあと、肉棒をぶちこみぐりぐりかき回して、里恵が泣き叫ぶまで狂わせたい。あらゆる方法で動けなくなった里恵を思う存分犯し玩具にしたいと、グズオの妄想は膨らんでいた。実はグズオは里恵を観察するうちに、里恵の中にMの気質があることを見抜いていたのだ。おそらく、里恵自身も気づいていないと思うが、里恵はいやいや言うことをきかされるという行為の中に、自分を解放するタイプの女らしかった。そう思いつき日常のことあるごとに里恵を観察していくと、一見強気の裏側に明らかなMのサインを見つけることが出来るのだった。例えば冷淡な態度をとる里恵を、それをものともしない感じで強気で押すと、里恵は急にへどもどしだして、ついには言いなりになってしまうのだった。精一杯張る虚勢の内側に、従順な里恵がドキドキしながら隠れているのだった。
(あの強気の仮面を着ている服ごと引っ剥がして、里恵を無理やり縛りつけて、僕の奴隷に貶めてやる。ああ、早くやりたいよぉ)
グズオの中では、そんな黒い欲望がメラメラと燃えあがっているのだった。

この日の里恵は打ち合わせのために社外に出る予定で、そのまま直帰するスケジュールだった。グズオと顔を合わせないで済むので、里恵には好都合だった。ところが、そそくさと出かけようとした里恵を、グズオが呼び止めた。
「なに?」
平静を装って立ち止まった里恵に、グズオが小さな紙包みを渡した。
「これ頼まれていたものです。もう二度と手に入らないので失くさないでくださいね」
グズオがニヤニヤしながらそう言った。里恵はそれをバックの中に放り込むと、足早にオフィスを後にした。

オフィスを出て、駅の公衆トイレの個室に駆け込んだ里恵は、グズオに渡された紙包みを開いた。そこにはA4の紙と赤いシルクの布、封を切ってないストッキング、黒いレースのガーターベルト、そして1枚の写真が入っていた。
まず紙にはグズオからの命令が書きつけてあった。「LINEは必ず読むこと。既読から返事が遅れた場合は罰を与えるので、覚悟しておくこと」さらに命令はこう続いた。「渡した荷物の中に赤いフンドシが入っているので、明日は必ずそれを身につけて出社すること。フンドシのつけ方は、LINEで送っておくので、必ず正しく身につけること」と記してあった。そして添えられていた一枚の写真には、立膝で大股開きをしている里恵が映っていた。ざっくりと開いている女の溝が、隠しようもなくその肉色をさらしていた。男なら誰でもじゃぶりつきたくなるようなぷりぷりの乳房と、その頂にすましているピンク色の乳首も丸見えだった。
裸の自分をグズオにいいようにされた口惜しさと恥ずかしさ、そしてこれからの不安が押し寄せてきて、里恵はトイレの個室で声を立てずに泣いた。

仕事を終えオフィスには戻らずに家に帰った里恵は、しぶしぶ、LINEを開いた。思った通りグズオから連絡が来ていた。
LINEにはご丁寧にイラストの写真付きで、フンドシの締め方が説明されていた。
『まずガーターベルトをつけて、ストッキングを吊り下げる。次にフンドシの前垂れをお尻にあたるようにしてあてがい、お臍の前あたりで、紐を束ねて左手で持つ。前垂れをまたいで、空いている右手で体の前に持ってきて、フンドシの縁を唇でくわえる。紐を前垂れの前にもってきて、ウエストのあたりでしっかりと締め込む。最後に紐の上にかぶせた前垂れを調節して、きっちり股を覆うように調整する』
こうしてフンドシを締め終わったあと、さらに指示は続いていた。
『フンドシの締め込みは、少し股に食い込むくらいがベスト。このようにガーターベルトを使えば、トイレに行く時、いちいちストッキングを脱がなくていいし、なによりもパンストの下にフンドシをつけるより、フンドシも着崩れしない』
その注意書きとともに完成形を示したイラストには、ガーターベルトでストッキングを吊った上から真っ赤なフンドシを履かされた女体が描かれていて、ご丁寧に顔には里恵の顔写真がアイコラされていた。
(こんな格好、恥ずかし過ぎて、できるわけないじゃない)
里恵は声を上げて泣いた。

一夜明けて翌日、オフィスに現れた里恵は、いつもの戦闘服のようなバリっとしたスーツ姿ではなく、女らしい柔らかみのある服装をしていた。丈が長めの黒いサマー・カーディガンの下には、真っ赤なひざ丈のプリーツ・スカート、カーディガンの下にはボーダーのシャツを着ている。いつもと違う女らしさを強調した装いに、オフィスが一瞬ざわめいた。里恵は周りのそんな反応を無視してデスクにつくと、朝のメール・チェックを始めた。
そこにグズオが現れた。
「おはようございます。外崎さん、朝から申し訳ないのですが、倉庫に今度のショウに使う商品を揃えたので、最終チェックをお願いできますか」
グズオがそういうと、にやりと笑った。
(こいつ、倉庫で何をしようというの)
里恵は内心怯えたが、商品チェックは今までもやってきた仕事なので、それを急に断ることもできなかった。
「わかったわ」
そう返事をすると、里恵はグズオと一緒にオフィスの地下にある倉庫へ向かった。グズオは倉庫に里恵を招き入れると、ガチャリと鍵をかけた。
「鍵なんかかけて、何する気?」
里恵が気色ばんだ。
「怒らないでください。二人の時間を他人に邪魔されたくないだけですよ」
グズオはへらへらと笑いながらそういった。
「じゃあ見せてもらおうかな」
「何を見せるの」
「フンドシに決まってるだろ。さっさとスカートまくって見せるんだよ」
グズオが急に命令口調になった。
「そんなことできません」
「わかったよ。じゃあスカートを切り刻んでやろうか」
グズオはそう言うと、大型のカッターをちらつかせながら近づいてきた。
「ちょっと待って。待ってよ。…見せるから…やめて」
そういうと里恵は震える手でスカートの裾をつまみ、ゆっくりと持ち上げた。スカートの下から黒いストッキングに包まれたムチムチの太腿が現れた。さらにまくりあげると、パンストの下に白いパンティが透けて見えた。
「おい、命令した格好と全然違うじゃないか。お前、僕のことをなめてるのか」
グズオがいきなり里恵をピンタした。
「ひぃ」
頬を張られた里恵は、ラブホテルでのことがフラッシュバックして、恐怖で体が震えた。そんな里恵の様子をうれしそうに見ながら、グズオはカッターの刃を光らせて凄んだ。
「お前はまだ自分の立場が分かってないんだな」
「…ごめんなさい。でもあんな恰好、恥ずかしくてできません」
泣きそうなりながら、里恵が訴えた。
「ふざけやがって。よし、動くなよ。動いたら腿を切るからな」
そういうとグズオは里恵の前に跪いた。そして両手をパンストの縁にかけると、パンティもろとも一気に引きずりおろした。
「きゃっ」
里恵は本能的に内股になって、腿をぴっちりと締めた。
「こんなことだろうと思って、予備のフンドシを持って来たんだ。ほら股を開くんだよ」
そう言って、グズオは里恵の太腿を思いっきり叩いた。

「よし出来上がりだ。なかなか可愛いじゃないか」
グズオが用意してきた赤い絹のフンドシを締め込まれた里恵は、その下にガーターベルトをつけさせられ、黒いストッキングを吊り上げる格好にされてしまった。
「ほら、こっちへ来るんだ」
部屋の隅にある姿見の前に立たされた里恵は、グズオに言われて、もう一度スカートをまくり上げた。鏡の中にガーターベルトでストッキングを吊って、真っ赤な絹のフンドシをしている里恵の姿が浮かび上がった。しかもグズオが用意したフンドシには、黒いマジックで落書きがしてあった。そこには女性器を表す卑猥なマークが大きく描かれており、「早く帰って里恵のここを久寿男さんに舐められたい」という屈辱的な文章が添えられていた。
「どうだ、可愛いだろ。返事をしろ」
そういうとグズオは再び里恵をピンタした。
「お願い、もうぶたないで下さい」
べそをかきながら里恵が言った。
「じゃあ、ちゃんと僕にお礼を言うんだ。予備のフンドシを用意してもらってうれしいですって」
「…フンドシを…ありがとうございます」
消え入りそうな声で、里恵が感謝の言葉を口にした。
「最初から素直にそういえばいいのに」
ようやく満足したグズオは、鏡の前で里恵のフンドシをあれこれといじり出すのだった。きっちりと前垂れを締め込んだ状態から、少しずつ緩くしていくと、やがて布が肝心の部分に触れていない状態となり、つまりはノーパンと同じことになった。
「どうだ。風通しが良くていいだろ。パンティみたいに蒸れないから、フンドシの方が健康にもいいんだよ」
「あの、いつまでこんなことするんですか」
「オレが飽きるまでだよ」
「いや。ふざけないでください」
「ふざけてないよ。それより今日の予定は?」
「こんな格好じゃ仕事なんてできません。…もう帰ります」
「じゃあ、ちょっとつきあってもらおうかな」
グズオが里恵の髪の毛を掴みあげた。
「痛い、やめて」
里恵は痛みと同時に、あのラブホテルで味あわされた暴力と恐怖を思い出した。
「痛いのがいやだったら、大人しくついておいで」
脅された里恵は仕方なくグズオの後について、倉庫から出た。そして地下廊下の角を曲がったとたん、里恵は二の腕をつかまれて男性トイレに引きずり込まれてしまった。
「やぁああ」
叫ぶまなく、里恵はトイレの中の個室に連れ込まれた。
「大声を出すと、誰かに聞かれて警備員がくるかもね」
「…」
「大人しく、ボクの言う通りにするんだよ」
里恵は唇を噛んだ。そして命じられるがまま大きく足を開くと、トイレのタンクの向こう側の壁に手をついた。予想通りグズオが勢いよくスカートをまくり上げた。赤いフンドシをまとった里恵の白いお尻が丸見えになった。
「なんだ、思ったよりユルフンだな。これじゃ、フンドシをした意味がないなあ」
そう囁くと、グズオがぐいとフンドシをたくし上げ、里恵のお尻に食い込ませた。真っ白なお尻の割れ目に真っ赤なフンドシが食い込み、股の奥にある女の溝を包み込んだ赤い布が、細い畝を作った。
「へへへ、たまらない膨らみだなぁ」
グズオがフンドシを掴んで、ゆさゆさとリズミカルにゆすり上げた。布が食い込んで、里恵の敏感な部分を、こりこりと刺激してきた。
(やめて、そんなことしないで。やだ…おかしくなっちゃう)
そんな里恵の戸惑いを知っているかのように、グズオはフンドシをリズミックにゆすり続けた。やがて里恵の心配とおり、フンドシに小さなシミがあらわれ、それは少しずつ大きくなっていった。
「おいおい、シミになってきたぞ。こんなんで濡れるなんて、里恵はスケベな女だなぁ」
グズオは笑いながらズボンのジッパーを下ろして、肉棒を取り出した。それははちきれそうなほどに固くなっていた。フンドシをずらすと、簡単に里恵の女がむき出しになった。それは予想通り濡れそぼって、テラテラと光っていた。グズオはそこにあてがうと、ぐいっと腰をつきだして里恵を貫いた。
「いやぁ。うう、うう、あうん…ああ」
里恵が声を出すまいと片手の甲を口にあてがった。しかしそこから漏れる吐息だけでも、里恵がたっぷりと快感を得ていることが分かった。
「ぬちゃ、ぬちゃ、いやらしい音がしてきたじゃないか」
グズオはわざと里恵の女がはしたない音をたてるように、腰にひねりをつけてピストンを続けた。
(なんだ、これは。柔らかくて、生温かくて、しかも締め付けてきやがる。ああ、もう気持がよくて気が狂いそうだ)
グズオは里恵の体の反応に狂喜し、狂ったように腰を打ち付け続けた。
「や、や、や、やめてぇ」
里恵は泣くようなか細い声をあげて、体をずらそうと抵抗した。しかしお尻をがっちりと掴んだグズオはそれを許さず、さらに大きなストロークで打ち付けてくるのだった。
(ああああ、こいつはなんて気持ちがいい女なんだ。たまらない。もう我慢できない)
グズオは肉棒を深く突き入れると、夢みていた里恵の体のなかへ、自分の性をたっぷりと注ぎ込んだ。
「いやぁ、あああ…」
その言葉とは裏腹に、里恵の女がグズオをくいくいと締め付けてきた。
(とうとうやった…。里恵を犯ってやった。中にたっぷり出してやった)
異様な興奮を得たグズオはそのまま抜かずに動き続け、2度、3度と立て続けに里恵の中に性を注ぎ込むのだった。

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