2.磔の辱め

囚われの真弓

ビルの最上階は殺風景で、エレベータホールには鉄製のドアが一つあるだけだった。道也が扉を開け、真弓を中へと招いた。ガチャリと重いドアが閉まると、そこは間接照明に照らされた大理石の床に、高い天井がしつらえてある大きな部屋だった。全ての窓は2メートルほどの高さにあり、そこから夜空の星明りがのぞける趣向になっていた。ドアの右手にホームバーがあり、部屋の奥は籐のパーテーションで区切られていた。
促されるがままに、ホームバーの止まり木に座った真弓に、道也は慣れた手つきでシャンパンをサーブするのだった。
「乾杯しよう」
そういってシャンパンをグビリと飲んだ道也は、カウンター越しに真弓を見つめてきた。すでに上着を脱いでカウンターの上に置いていた真弓は、黒いニットのノースリーブ姿だった。すらりとした二の腕とデコルテが抜けるように白く、一方、首から上はアルコールのせいでほんのりと赤く色付いていた。ノースリーブのニットは体にピタリと貼りついていて、その下から押し上げているブラのカップが柔らかそうな半球形を形作っていた。
「真弓ちゃんは大学で何を勉強しているの?」
「一応、経済学部です」
何気ない会話のうちに、真弓は道也の視線が体を嘗め回してくるのを感じた。真弓の中で警戒アラームが鳴り響いた。
(この人の目つき、イヤらしい。早く切り上げた方がよさそうだ)
真弓は上手く口実を作って、この場から逃げることにした。
「あーあ、酔っぱらっちゃった。もう飲めないから帰るね」
真弓はそう言い放つと椅子から滑り降り、バックと上着を素早く手にすると、足早に出口に向かった。そしてドアを開けようとしたが、ドアはロックされていてびくともしなかった。
真弓は本能的にドアを叩いた。
「ちょっと。誰か来て」
「ここは完全防音だから、叫んでもむだだよ」
そう言いながら背後から近づいてきた道也は、あっという間に真弓の右腕をひねり上げると、肩甲骨のあたりにきめてしまった。上着とバックが床に落ちた。
「痛い、やめて」
その言葉を無視して、道也は腕をきめたまま、真弓を部屋の奥のパーテーションの内側へと連れ込んでいった。そこにはキングサイズのベッドがおかれていた。
(犯される…)
「いやぁ」
きめられていた右腕を解放されると、真弓は夢中になってベッドによじ登り、ベッドの向こう側へ逃れようとした。パンプスがはじけ飛んで、スカートの裾がまくれ上がる。そんなこともお構いなしに、真弓は四つん這いになってベッドの向こう側へと這って逃げようとした。しかしあと少しで向こう側のふちに手が届くとろろで、両方の足首をつかまれてしまった。
「いやぁ、やめて」
腹ばいのまま、真弓は引きずられ、ベッドの上でうつぶせの大の字に広げられてしまった。もがく暇もなく、道也が真弓のひざの裏にまたがった。こうして真弓は腹ばいのまま動けなくなってしまった。さらに道也はスカートのホックを外すと、上手く体をずらしながら、真弓のスカートを引き抜いていった。道也の目の前に、黒いパンストにつつまれた、熟れた桃のようにまんまるのお尻が現れた。パンストごしに、お尻を包み込んでいる白いビキニのパンティが透けて見えた。道也は舌なめずりをすると、まるで皮を剥くようにパンストを脱がしていった。
「何をするんですか。やめてください」
足を解放された真弓は、慌てて逃げようとしたが、膝まで下げられたパンストが邪魔になって上手く身動きが取れなかった。立ち上がることもできずに、腹ばいから前向きに体の向きを変えるのが精いっぱいだった。真弓は再び足首を捕まれて、今度は仰向けに広げられた。そして太腿の上にまたがった道也が、カッターナイフをちらつかせながら脅してきた。
「脱げよ。脱がないとニットをズタズタに切りきざむぞ」
「やめて」
「だったら早く脱げよ。帰る服がなくなってもいいのかな。素っ裸で帰るか、それともここに一生住むか、どっちがいい」
真弓は仕方なく命令にしたがって、黒いニットを脱いだ。体の前で腕をクロスして、胸に貼りついているブラを隠すのがせめてもの抵抗だった。
「ブラも外すんだよ」
カッターを頬にあてられた真弓はとうとう観念して、片腕で胸を隠しながらあまった腕を背中にまわすと、震える指先でブラのホックを外した。締め付けから解放された大きな乳房がプルンと震えた。
「そういい子だ。おとなしく言うことをきけば、痛いことはしないよ」
そう言うと道也はニヤニヤしながらブラジャーをむしりとった。そして予めベッドヘッドにつないでおいた手錠を使って、真弓を拘束した。真弓はベッドの上で、乳房を丸出しにした万歳の姿にされてしまった。体を覆っているものは、白いビキニのパンティだけになった。
「お前、思った通りいいオッパイしてるな」
仰向けになっても形が崩れずに、まるでおわんを伏せたように盛り上がっている乳房を眺めながら、道也がつぶやいた。そして改めて真弓の下腹のあたりに馬乗りになると、真弓から取り上げたブラジャーを鼻にあてがい、くんくんと匂いをかいだ。
(やめてよ、変態)
嫌悪感に顔をゆがめる真弓をまるで楽しむかのように見つめながら、道也はブラジャーの匂いを存分にかぎつづけた。
「甘くていいにおいだな。お前のオッパイの匂いが大好きになったよ」
道也の目の前には透き通るように白い乳房が息づき、呼吸に合わせてピンク色の乳首が可憐に揺れている。
「仰向けに寝ても、形が崩れないんだね。しかも乳輪もちょうどいい大きさだ」
道也は両手で左右それぞれの乳房の裾野をとらえると、乳首に向かってゆっくりと搾り上げていった。
「や、や、やめてください。おねがい。そんなことしないで」
真弓はあらんかぎりの力を絞って体をバタつかせたが、道也の愛撫から逃げることはできなかった。道也の手の中で乳房の肉が踊った。先っぽの乳首近くまで搾り上げていくと、乳輪が広がって、つぶつぶが粟だってくるのだ。手を押し返してくる乳房の感触を楽しみながら、道也は何度も何度も真弓の乳房を搾り上げた。
「ああ、もう我慢できないな」
道也はついに搾り上げた乳首の先をペロリと舐めた。
「はあん」
真弓が思わず声をあげた。
その声に応えるように、道也は両方の乳首をかわるがわる舐め始めるのだった。
「感じてるんだね。オッパイがぱんぱんに張ってきたよ」
「感じてなんかいません…はああん…だめぇ、やめて」
ついに道也が乳首を丸ごと口に含み、舌で丁寧に転がし始めた。女性の性感帯は概ね決まっているものの、人によって微妙に場所や感じ方が違うものだ。真弓の場合、オッパイが、とりわけ乳首が敏感であることを本人も自覚していた。やさしく揉まれながら舌で乳首を愛撫されると、体がじんとして、恥ずかしいほどの声をあげてしまうのだ。それを悟られまいと、真弓は唇を噛みしめて、道也の愛撫に耐えていた。一方、道也も乳首を転がすたびに、真弓が体をビクッとさせるので、乳首の敏感さにはとっくに気付いていた。そこで道也は真弓がよがるまで、腰を据えて丹念に乳首を舐め上げることにした。
終わりが見えない道也の愛撫に、とうとう真弓が音を上げた。こらえようとしても息がもれてしまい、やがえてそれはかすかなよがり声へと変わっていった。
「あん、あん、はああん、あん…」
リズムよく乳首を転がされ、乳房全体を揉みあげられているうちに、真弓は恥ずかしい声をおさえられなくなっていった。
「オッパイが感じやすいんだね。あとでたっぷり可愛がってあげるからね」
道也はそういうと、今度は乳首からその下のお臍に向かって、唇をはわせていくのだった。
「いやです。やめて、お願い…」
泣きそうになりながら、真弓は体に渾身の力込めて抵抗を試みたが、体はびくともしなかった。
お臍に舌を差し込んで丁寧に舐めあげたあと、道也の唇はパンティの上を通過して、太腿の付け根にこんもりと盛り上がっている三角地帯へと下って行った。
「いやです。そこはやめてください」
真弓が声を上げた。乳房への執拗な愛撫で、真弓の女はすでに反応しており、下着を濡らしていることを自覚していたのだ。
(それだけは知られたくない)
真弓は懸命に体をよじって、道也の唇をそらそうとした。
「そんなにあばれなくてもいいのに」
道也はいきなり真弓の膝に唇を推しつけた。
「あっ」
真弓は初めて膝を舐め上げられる感覚にとまどった。さらに道也の唇は下っていくと、足の指をとらえて、それを口の中に含んでいった。
(なにこれ)
足の指をしゃぶられるのは初めての経験だった。
「はあああああん」
足の指を口に含まれ嘗め回される異様な感覚が、真弓の全身を揺さぶった。まるで電気が走るかのように、鋭い快感が体をふるわせた。
「いやだ。だめ、だめ…もうやめて」
真弓は訳の分からない言葉をほとばしらせながら、体を小刻みに震わせた。両足の指をたっぷりとしゃぶられて、真弓は道也に抗う気力を奪われてしまった。
「ぐっしょり濡れてるね」
道也はそういうと無抵抗になった真弓から、パンティを一気にむしり取った。逆三角形にはえそろった真弓の恥毛が、パンティから解放され、ゆっくりと立ち上がってきた。真弓は恥ずかしさで真っ赤になりながら、いやいやと首を振った。
「すごく感じたんだね」
道也は取り上げたパンティを真弓に見せつけると鼻にあてがって匂いをかいだ。その股の部分には、大きな濡れ染みが出来ていた。
「甘酸っぱくていい匂いだ」
「もうやめてください」
真弓は死にたいくらいの恥ずかしさに、激しく首を振った。
「恥ずかしがらなくてもいいよ。これから濡れたところを舐めとってあげるからね」
「ひぃ…」
道也は真弓の膝の裏側に手を差し込むと、そのまま足を持ち上げた。まるで赤ちゃんがオシメを替えられるように、真弓の太腿が左右に割られた。そしてぐいっと体を折り曲げられると、真弓はふくらはぎで顔を挟むような、恥ずかしい形にきめられてしまった。
「や、や、や、やめて。見ないで」
真弓は必死になって抵抗しようとしたが、かっちりときめられた体を動かすことはできなかった。真っ白な太腿の間に、桜色に濡れそぼった女唇があからさまに顔を出している。その下にはセピア色に絞り込まれたお尻の穴までまる見えになっていた。恥ずかしさで真っ赤になった真弓の顔を見下ろしながら、道也は甘い蜜で濡れている女唇を、音を立ててゆっくりとねぶり始めるのだった。

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