予告通り土曜日に、道也が妹と二人暮らしの真弓の家におしかけてきた。2LDKの真弓の家は、リビングを真ん中にして妹の部屋と真弓の部屋が左右に振り分けられいる。
「早く入ってください」
妹にみつからないように道也の靴を持つと、真弓は素早く道也を自分の部屋へ招き入れた。
「妹がいるんだろ」
「今日は出かけています」
その瞬間、部屋の外のリビングで物音がした。
「なんだ、嘘つくなよ、いるんじゃないか。会って挨拶しようかな」
「いいです」
「それともお前を縛りあげて、目の前で妹を犯してやろうか」
「や、やめて。そんなことしないで」
「じゃあ、ここで大人しく俺の言うことを聞くんだな」
妹を人質に取られた形になった真弓には、イエスと答えるほかに選択肢はなかった。こうして真弓は、道也の風俗ごっこに無理やり付き合わされることになった。
道也が用意してきた「まゆみ」と書いたネームプレートを胸につけさせられて、真弓は風俗嬢を演じなくてはならなかった。道也が押し付けてきた紙切れには、客と風俗嬢を想定したいやらしい会話が書きつけてあった。真弓は道也に問われるままに、そのセリフを口にしなくてはならないのだ。
「まゆみちゃん、かわいいね。出身はどこなの?」
ニヤつきながら道也が言った。
「東京です」
真弓が、ボソリと答えた。
「東京出身か。ところでオッパイが大きそうだね。何カップなの?」
「…」
「おいおい。ちゃんと答えなきゃダメじゃないか。そこのタンスを開けて、ブラジャーのサイズを調べてやろうか」
「いや、やめてください」
「じゃあ、答えろよ」
「…Eカップです」
「やっぱり大きいんだね。どれどれ」
道也が真弓の胸に手を伸ばしてきた。真弓は反射的にその手を払った。
「チッ」
舌打ちした道也が鬼の形相になった。
「オッパイも揉ませない風俗嬢がどこにいるんだよ」
そう怒鳴ると、道也は再び手を伸ばしてきた。そして肩をすくめて怯える真弓を見つめながら、Tシャツのふくらみをグイっとつかんだ。
「あああ、さすがEカップだなぁ。大きくて揉み心地が最高だ」
道也は両手を伸ばすと、真弓のふくらみを存分に揉みしだいていった。
「ところで真弓ちゃん、好きな体位はなに?」
「…」
もじもじしている真弓を道也がどやしつけた。
「ちゃんと答えろよ。いやなら、今すぐ妹とパートナーチェンジしてもいいんだぞ」
そう脅されると、真弓はおずおずと紙に書かれたセリフを口にした。
「き、騎乗です」
「へー意外だね。大人しそうな顔して大胆な体位が好きなんだね」
露骨なからかいに真弓は顔を赤らめた。そんな様子を舌なめずりしながら見つめると、道也はさらに言葉責めを続けていくのだった。
「得意技はなんなの?」
手に持たされた風俗嬢まゆみのプロフィールに書いてあることを、真弓は読み上げる。
「…フェラチオです」
「それと?」
「…」
「それだけじゃないだろ。お店に貰ったプロフィールには他の技も書いてあるよ」
「…フクロ舐めです」
「ええ、フクロ舐めってなに?どうやってやるの?」
「お口の中に…タマをふくんで、優しく舌で転がしながら舐め上げます」
「へぇ、すごいなあ。そんな技があるなんて初めて聞いたよ」
あまりの恥ずかしさに、真弓はもう泣きそうになっていた。
「じゃあ早速、それをやってもらおうかな」
道也は仰向けに寝ると、ズボンを一気にさげた。固くなったペニスが赤いビキニのパンツを突き上げていた。
「早く脱がしてよ。もたもたしてると妹を呼ぶよ」
真弓は両手を伸ばすと、道也のパンツをゆっくりと引き下げた。大きな肉棒が飛び出し、道也の腹をうった。
「どう、デカいだろ。真弓ちゃんの彼氏とどっちが大きい」
真弓が唯一知っている男性である元カレのそれに比べると、道也のものは大きく、太く、しかも禍々しい肉色にひかっていた。しかしそんなことを口にできるわけがなかった。
「なんだ。恥ずかしがり屋だな。じゃあこっちにおいで」
道也に命じられるままに、真弓は大股開きになった道也の太腿の間にぺたりと座り込んだ。そして身をかがめると、道也の袋にゆっくりと唇をつけた。
「おおお、真弓ちゃんのキス。たまんないな」
大げさに声を上げて悦ぶ道也に促されて、真弓は小さく舌を伸ばすと、チロチロと遠慮がちにその部分を舐め始めた。
「なかなかうまいねぇ。すごく気持ちがいいよ。早くタマもしゃぶってくれよ」
真弓は大きく口を開くと、ゆっくりと口の中に含んだ。
「いいよ、いいよ。もっと舌をつかってごらん」
真弓は口の中で丹念に転がし始めた。その感触をたっぷりと楽しんだ道也は、次の性技を命じるのだった。
「次は裏筋を舐め上げてごらん」
真弓は竿の根元からゆっくりと舌を這わせ、頂点まで舐め上げていった。そして、とうとうその先端をヌルリと口の中に咥え込むのだった。
「ううっ、たまんないなぁ」
目の前で自分のものを口いっぱいにほうばっている真弓の表情が、道也の欲望をさらにかき立てた。
「その調子で、唇でしごくように動いてごらん。そうそう、もっと舌をからめて…」
あふれ出る唾液をじゅぼじゅぼと吸い込みながら、真弓はゆっくりと前後に首を振り、道也のそれをしゃぶりだした。引き抜くときには息を吸い込んで頬をすぼめ、口全体で包み込むようにしゃぶる。まるで本物の風俗嬢のように、真弓は男を喜ばせるテクニックを覚えこまされていった。深く咥え込むと、その先が喉の奥をついてえずくが、それを吐き出すことは許されない。しかもその行為は延々と続くのだった。
(口が疲れて、顎が痛い)
真弓は泣きながらしゃぶり続けた。
「よし、少し休憩」
ようやく道也の許しが出て、真弓はそれを吐き出した。
「本当は口でいかさなければダメなんだよ。おれの精液を口で受け止めて飲み込む。さらに残っている分をちゅうちゅう吸って、きれいにお掃除できなきゃ、一人前の風俗嬢とはいえないな。もう少しがんばってみようか」
真弓は再び道也のそれを咥えさせられた。
「ふふふ、やっと上手にしゃぶれるようになったね」
大きく開いた道也の太腿の間に正座した真弓は前かがみの格好になって、道也のペニスを口いっぱいにほうばり続けた。両手は道也の太腿の上に置いたまま、首を前後にふるようにして、唇でにゅるりと、道也のペニスをしごく。同時に口の中ではせわしなく舌を絡めなければならないのだ。
「そうそう、引くときにもっと口をすぼめて吸い込みながら…そうそうだ。ほら舌がお留守になってると。もっといやらしい音を立てて、からめるようにしてごらん」
行為によってあふれてくる唾液をいやらしくすすりながら、真弓は懸命にフェラチオを続けるのだった。
(いつまでやらされるんだろう)
もうかれこれ10分は咥えさせられていた。終わりの見えないご奉仕に、顎がくたびれて、口がバカになりそうだった。
「よし、少し休んでいいよ」
ようやく許しを得た真弓は、道也のペニスを吐き出した。
「もっと上手くならないと駄目だね。本当は口でイクまでやらせようと思ったけど、今日はこのくらいで許してやるよ」
道也は得意げに説明を続けた。
「フェラチオを早く終わらせたかったら、俺を射精させることだ。一所懸命しゃぶって俺の精子を口の中で受け止めて、それを一滴残さず飲み込む。さらにちゅうちゅう吸って、残っている精子を綺麗に吸い取る。それが風俗嬢になったお前の勤めなんだよ」
真弓は聞いているだけで、吐きそうになった。