3.腰を使ってよがった日

肉の記憶 麻里子二四歳

その日の待ち合わせに来た麻里子を見て、鉄男は目を見張った。赤いゆるめのTシャツの下にタンクトップを重ね着して巨乳を隠しているのはいつものことだが、驚いたのはその足だった。

麻里子はローズ・レッドのストッキングを履き、そのうえにジーンズを短く切ったホットパンツを合わせていた。ホットパンツはこれ以上短くは切れないほど切り込まれているので、後ろから見るとお尻の膨らみがはみ出そうになっている。しかもまるまるTシャツの裾の下に隠れてしまっているので、一見したところTシャツの下はストッキングだけで、他に何も履いていないように見えるのだった。さらにストッキングには前と後ろに幅二センチほどの花柄のラインが入っていて、その部分は網目が荒く生足が透けていた。

履いているスニーカーはショッキング・ピンクで、服装に合わせて髪の毛もツンツンに立てており、アイシャドウや口紅も派手だった。いつもの清純で人のよさそうな麻里子からは見違えるほどエロく、不良っぽかった。

「おい、凄いなぁ」

「今日は不良っぽくロックしてみた」

「不良というより、ホントにエロいなぁ」

「ふふ、褒めてくれてありがとう」

「ちょっと聞いてもいい?」

「なに、なに?」

麻里子が目を丸く見開いて、顔を近づけてきた。

「そのストッキングだけどさ、お尻まで花柄が続いているの?」

「そうだよ。やだぁ、ひょっとして、もういやらしいこと考えてるでしょ」

麻里子が笑った。

「男はそういう生き物なの。ついでに聞くけど、今日は下着もセクシーなの?」

「それは秘密だよ」

「けちだなぁ。じゃあ、色だけでも教えてよ?」

「この服装を見ればわかるじゃん」

「ということは赤?」

麻里子がちょっと恥かしそうに、首をすくめた。

「当たりだよ。それより今日は焼肉が食べたーい。食べ放題のお店に連れてってよ」

麻里子の提案で、二人は焼肉屋に向かうことになった。

店に向かう途中の交差点で信号待ちをしている間、鉄男はビルの一階のショウ・ウインドウの中に、赤いミニのワンピを着ているマネキンを見つけた。

「ねぇ、麻里子は赤が好きなの?」

「うんそうだね。一番好きな色かもね」

「じゃあ、あの服買ってあげようか?」

鉄男はウインドウの中を指さした。

「ええ、ホントに?」

麻里子が驚いて、くるりと目をむいた。鉄男は嬉しくなって麻里子の手を引き、勇んでお店の中に連れて行った。

「これ、カッコいいね」

麻里子は早速、赤いミニ・ワンピを手に取り、試着室に飛び込んだ。着替えている間、店内を所作なく眺めていた鉄男は、ふと傍らに、麻里子が試着しているドレスと色違いの黒も見つけた。

「これも見せてくれる」

店員に言って広げさせると、黒のミニ・ワンピというのもなかなか艶めかしかった。そうこうしているうちに麻里子が試着室から出てきた。

「よく似合うじゃないか」

「でも、ちょっと見えすぎじゃない?」

麻里子が顔を赤らめながら言った。確かに胸元が意外にえぐれており、丸々とした胸の盛り上がりと谷間がバッチリ拝めた。

「お客様はスタイルがいいから、そのままお召なったほうが絶対いいですよ。どうしても気になるなら、下に何かインナーを合わせてもいいですけど…」

「それよりこの靴も履いてみなよ」

鉄男はマネキンが履いているのと同じ、赤いハイヒールを麻里子に奨めた。

「そっか、なかにインナー合わせれば大丈夫か」

靴を履いた麻里子は鏡の前でくるくる回りながら、なにやら独り言を言っていた。

「よし決まり。じゃあこの色違いの黒いドレスと黒い靴も買ってやる」

「ええ!」

鉄男の提案に麻里子がびっくりした。

「二着もって…。鉄ちゃん、これ高いよ」

「いいんだよ。オレ、会社の金、横領しているから」

鉄男の冗談に、麻里子と店員が笑った。

大きな紙袋を抱えて店を出た二人は、その後たらふく焼肉を食べ、ラブホに向かった。

「今日は下着姿をみせてくれるんだろ」

「もう、エッチだなぁ」

明るい部屋の中で、鉄男は麻里子のウエストに手を回すとTシャツとその下のタンクトップを掴んで一気に脱がした。予想通り真っ赤なブラジャーが、下から寄せあげるように大きな乳房に食い込んでいた。

「どう?」

明るい部屋でブラ姿を見られる恥ずかしさに、麻里子が頬を染めながら聞いてきた。

「凄いよ。めちゃくちゃセクシーで素敵だ。下も脱いで見せてよ」

麻里子は恥ずかしさを紛らわすようにニッコリと笑うとボタンを外し、ファスナーを下ろすと、ホットパンツを床に落とした。

鉄男は目を見張った。若い娘特有の張りのある下腹を、真っ赤なストッキングが覆っている。しかもストッキングが下半身にぴたりと張り付いているので、麻里子のビキニラインはもちろんのこと、太腿の合わせ目にあるこんもりとした女の子の膨らみの形もあらわになっていた。鉄男は太腿の合わせ目に手を当てて、その膨らみを思いっ切り握ってやりたい衝動に駆られた。

「エロいなぁ。たまらない。クルっと回ってお尻もみせてよ」

麻里子がおどけた仕草で腰に手を当てると、くるりと背を向けた。目の前に、薄いストッキングに包まれた、真ん丸なお尻が現れた。さらにその下に目を移すと、ぴたりと閉じた太腿は一部の隙もなく、膝、脛へと流れるような脚線美を描いている。

鉄男は腰をかがめて、お尻を覗きこんだ。お尻の谷間の下側、内股の付け根の部分に、向こう側が見渡せるくらいの、小さな逆三角形の隙間ができていた。たまらなくなった鉄男は、その隙間にそっと指を差し入れた。そして隙間の上部、麻里子の肉の口唇が畝になっておさまっている部分を指の腹でさすり上げた。

「いやん」

麻里子が体をびくり震わせて指を振り払うと、こちらに向き直った。

「もう、エッチなんだから」

「麻里子がエロ過ぎるから、我慢できなかった」

鉄男のあけすけな物言いに、麻里子が微笑んだ。

「ストッキングも脱いでよ」

鉄男のリクエストに麻里子がストッキンを脱ごうと前かがみなった。もともと大きな乳房の膨らみが更に増して、ブラカップからこぼれ出そうになった。鉄男はむしゃぶりつきたい衝動を必死に抑えた。そんな鉄男の心の中を知っているのか、麻里子は焦らすようにゆっくりとストッキングを脱いでいった。

明るい部屋の中で、とうとう麻里子がブラとパンティだけの姿になった。

目の前に現れた真っ赤なパンティは、予想していたセクシーなビキニ・タイプではなかった。お尻をすっぽりと覆い、股上がお臍のちょっと下辺りまできている大人しめの形で、どちらかというと野暮ったい感じがするデザインだった。しかしその代わりに布地が極端に薄く、お尻の割れ目はもちろん、麻里子のみっちりと生えそろった逆三角形の草むらまで透けて見えるのだった。

「スケてるのが、たまらないなぁ」

「やだ、恥ずかしいから、そこはあんまり見ないで」

麻里子が顔を赤らめた。

「だって、今日のは見せるためのものだろ」

「そうだけどさ、さり気なく見てよ。胸はいいけど、下はあんまりガン見しちゃだめ」

「分かった。ガン見しない代わりに、死ぬほど舐めてやる」

「バカ」

鉄男はさりげなく麻里子の下腹に手をあてると、そのまま太腿の合わせ目まで滑らせていった。そしてパンティの上から、こんもりと盛り上がった逆三角形の膨らみに手を当てた。

「もう、やだ。だめだったら」

麻里子が恥ずかしそうに顔を赤らめ、身を逃がすようにかがめた。そこを逃がさないように、鉄男は中指と薬指を素早く奥へとすべらせた。そして掌全体で、柔らかい膨らみを軽く握ると、ゆっくりと回すように揉み込んでいった。

パンティの薄い布地の下で、麻里子の草むらがざらつく。その感触を味わいながら、鉄男は焦らすようにゆっくりと揉み込んでいった。

「だめ。だめだよ、鉄ちゃん」

麻里子が目を閉じて、苦しそうに眉間にシワをよせた。その表情を楽しみながら、鉄男は無言で揉み続けた。パンティの股の布地が麻里子の女の子のスジの中に、どんどんめり込んでいくのが分かった。

「ねぇ、変になっちゃうから、もうやめて」

麻里子が目を開き、泣きそうな顔ですがりついてきた。

鉄男は太腿の合わせ目から手を開放すると、麻里子を抱きしめ口唇を奪った。麻里子がそれに応え、鉄男の首に腕を巻きつけてきた。鉄男は両手を麻里子の背中に回すと、そのまま背中を伝ってパンティのゴムの下に滑り込ませた。そしてパンティの中でナマのお尻の肉を、ぐぃと握りしめた。

「うっ、はああああん」

麻里子がうめいた。

「あん、そんなにしたらお尻がとれちゃうよ」

「こんなにエロいお尻をしている麻里子がいけないんだ」

鉄男は麻里子の口唇を再びふさぐと、お尻をこね回しながら、呆れるほど長いキスをした。

ナマのお尻をたっぷりとこね続けた仕上げに、鉄男は右手の中指を麻里子のお尻の割れ目に沿って下へと這わせた。指の腹がスルッとアナルを通過した瞬間、麻里子がビクっと体を震わせた。

やがて指が肉襞にたどり着いた。興奮と汗で少し湿り気味の肉襞を丁寧になぞってやると、肉襞がすっと割れ、そこから指がすんなりと沈んだ。なかはグズグズに潤っていた。肉襞の堰が切れ、なかから溢れだした愛液が太腿の方へ流れ出て、赤いパンティの股布を濡らし始めた。

「凄く濡れてるよ」

「やだ、恥ずかしい。私、この前から壊れちゃったみたいによく濡れるの。なんか漏らしているみたいで、いやだ。鉄ちゃんのせいだよ。鉄ちゃんが私の体を変にした」

「もっと変にしてあげる」

鉄男は麻里子を抱きかかえると、バスルームに運んでいった。

照明を薄く絞った部屋のベッドの上で、麻里子は快感にのたうちまわっていた。鉄男はもう小一時間近く、麻里子のクリをしゃぶり続けていた。こきざみな痙攣を繰り返して、麻里子は何度も何度も絶頂へと追い込まれていた。

「鉄ちゃん、お願い。許して。もう壊れちゃうよ」

次から次に襲ってくる途切れのない快感の嵐の中で、とうとう麻里子が音を上げた。

「じゃあ、次はどうして欲しいか言ってごらんよ」

「…そんなの言えないよ」

「だめだ。ちゃんと口で言うまでやめないからな」

鉄男の言葉攻めに麻里子が降参した。

「意地悪…入れて、早く。もう我慢できないの。奥まで入れて」

ようやく言葉攻めに落ちた麻里子に、鉄男はいきり立ったものを呑み込ませた。

「はあああ、凄い…、凄い…、凄いよ」

下腹がぶつかり合う音が響くほどの大きなストロークに、麻里子はあっという間に絶頂まで追い上げられた。

「ああああん、だめぇ」

早くも麻里子が体を痙攣させた。そしてドクッドクッと興奮で高まる鼓動に合わせて、アソコが鉄男を締め付けてきた。動きを止めた鉄男は、じっとその締め付けに耐えた。

イキそうになる自分を堪えてようやく鉄男が余裕を取り戻した頃、麻里子も弓なりに反った体から力を抜いてきた。飛んでいた意識もゆっくりと回復してきたようだった。

「どうだった?」

「よかった。死ぬかと思った」

「どこが?」

「もう、意地悪言わないで」

麻里子がはにかんだ。

「ここかな」

鉄男がゆっくりと腰をこねた。ぴたりと咥え込んでいる麻里子のアソコが、いやらしい音をたてた。

「あん、そう。そこが…いい」

麻里子が甘えてキスをねだってきた。鉄男は一旦腰の動きを止めると、麻里子の口唇を割って、舌を吸い上げた。思い切り舌を吸ってやると、麻里子がくぐもった声を上げて喜んだ。

「麻里子は感じやすくて、濡れやすいね」

「今までこんなことなかった。なんか漏らしているみたいで、本当に恥ずかしいよ」

「気にしなくていいよ。それより今度は麻里子がオレをいい気持ちにさせてくれよ」

「どうしたらいいの?」

「オレの動きに合わせて、麻里子も腰を使えよ。セックスはどちらか一方じゃなくて、二人で協力してやると、もっと気持ちよくなれる」

「どうやって?」

「こうだよ」

鉄男は一旦腰を引くと、大きなストロークで麻里子に突き入れた。その瞬間、鉄男は掴んでいた麻里子の腰を煽るように持ち上げた。

「ほら、こうやってリズムに合わせて、自分で腰をあおってごらん」

「やだ…恥ずかしいよ」

「みんな誰でもしていることだから大丈夫だよ。二人で一緒に気持よくなろうよ。ほら、もう一回やるよ」

鉄男のゆっくりしたストロークに麻里子がおずおずと腰を合わせ始めた。

最初はタイミングがあわなかったものの、麻里子はすぐにコツを掴んできた。そして鉄男が突き上げるタイミングで、上手く腰を突き出すようになった。

「はん、はん、はん」

腰を突き出す動きが滑らかになってくるのにしたがって、麻里子の呼吸も荒くなっていく。

「うう、いい。いいの、いい」

麻里子がうめくような声を上げ始めた。その声に合わせて、鉄男はストロークのスピードを上げていった。それにあわせて麻里子も腰をあおってきた。

「鉄ちゃん、もうだめ。もうイッちゃう。マリ、イッちゃうよ」

今まで鉄男が聞いたことのない言葉を口走ると、麻里子が太腿で鉄男の体を思い切り締め付け、大きく弓なりに体を反らせた。グイグイ締めあげてくる麻里子の中で、今度は鉄男も存分に精汁を放った。

二人で同時にたっぷりと気をやったものの、麻里子は未だに鉄男を咥え込んだままだった。

「ね。一緒に動いた方が、気持ちがよくなるだろ?」

「うん、…そうだね」

鉄男が体をゆっくりと外そうとすると、麻里子が足をからめてきた。

「あん、まだ抜いちゃだめ」

そう言って外側から両足を鉄男の太腿にからみつけると、外れそうになったものをしっかりと咥えなおした。

「あん」

麻里子がお腹に力を入れて鉄男を締めた。それは温かい掌でくいっと握られるような感触だった。鉄男は今まで味わったことのない動きに驚いた。

「凄い、麻里子。締められるんじゃないか」

「うん、さっきやったら出来た。ほら、こうするとマリも鉄ちゃんの形がわかるの」

麻里子が一定の間隔で、リズミックに鉄男を締めてきた。

「気持ちいい?」

麻里子が甘え顔で聞いてきた。

「すごくいいよ」

「じゃあ、抜かないで。ずっとこうしていて。マリが握ってあげるから…」

「じゃあ、オッパイを触らせろよ」

「いいよ」

両足を鉄男の太腿にがっちりとからみついたまま、麻里子が両手を自分の頭の下に敷いた。鉄男は自由になった上半身を浮かせると、二人の間に両手を滑りこませ、乳房を掌いっぱいに握った。そしてこねるように揉み始めた。

「はぁ、いい。もっと強くして…」

鉄男は両方の乳房を真ん中に寄せ、左右の乳首がくっつくくらいにぐぃっと近づけた。そして首を振って、左右の乳首にかわるがわる吸いついた。

「凄い、それ。いいよ。凄くいい」

麻里子が喜びの声を上げ、再び鉄男を締めあげてきた。

「いい。凄くいい。あああん、鉄ちゃんがどんどん固くなってくる」

鉄男は密着していた麻里子との間に隙間を作ると、下半身をのぞき込んだ。白い下腹の草むらの中で、しっかり咥え込んでいる麻里子の肉の口唇が丸見えになった。

「やだぁ、そこは見ちゃだめ」

鉄男が覗いていることに気づいた麻里子が、慌てて抱きついてきた。

「ちょっとぐらい見ても、いいじゃないか」

「恥ずかしいから、だめ」

麻里子は拗ねた口調でそう言うと、しがみつくようにして体を密着させ、鉄男の視線を遮った。

「ねぇ、早くマリをめちゃめちゃにして」

耳元でそうねだられた鉄男が再びストロークを始めると、麻里子はからみつけた足をほどき、先ほど覚えた通りに腰をあおって応えてきた。

(男を誘いこむように腰を使う。自分のエロい動きに、自分で興奮しているな)

鉄男が思った通り、麻里子はいつもより激しく乱れてきた。

「ああん、もうだめ、もう許して」

ねちゃねちゃとまとわりつく音の中で、とうとう麻里子が泣きだした。

「ああ、いい。よすぎて、マリ、死んじゃう」

激しく痙攣すると、ついに麻里子が失神した。

翌朝、ホテルを後にした二人は、いつものように朝食を食べた。

「ねぇ、鉄ちゃん、私とエッチして気持ちいい?」

突然、麻里子が恥ずかしそうに聞いてきた。

「うん、凄くいいよ。でもなんでそんな事聞くの?」

「私いろいろ知らないこと多いし、ちょっと気になったの」

「オレが教えてやるって」

「それはいいけど、よく知らなかった今までの私って、ひょっとして相手は気持よくなかったのかと思ってさ」

そう言って、麻里子は何かを思い出している風の顔をした。

「どうして、そう思ったの?」

「いろいろ教わったら、全然違うから。今までと私も全然違う感じになってきてるから…」

「エッチが気持ちよくなったってこと?」

「うん。…凄くいい。こんなにいいとは知らなかった。だから今までの私はエッチが下手くそだったのかなって思って」

「まあ、麻里子はナイス・バディだから、それだけで大抵の男は満足しちゃう。でも、一緒に協力して楽しんだほうが、もっと気持ちよくなるってことだよ」

「そうだね。さすが鉄ちゃんは大人だね」

麻里子が感心したような表情で頷いた。

「それと鉄ちゃん、洋服も靴もありがとうね」

「気にしなくていいよ。それより今度のデートに来てきてよ」

「赤、黒、どっち?」

「赤い服を着ている麻里子はいつも見ているから、黒がいいな」

「分かった」

「しかもインナーはなしでね」

「考えとくよ」

麻里子がイタズラっぽい目で笑った。

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