3.辱め

売られた女 比呂子

何か悪い夢でも見ているのか、比呂子はうなされていた。
(ここはどこ?)
ぼんやりとした目の焦点があってくると、そこには見知らぬ部屋の天井があった。蛍光灯のサークルラインの白い光がまぶしかった。比呂は手で光を遮ろうとしたが、手が動かなかった。
(…腕も足も動かない。どうなってるの)
どうやら自分の腕は後ろに回され拘束されているらしかった。そして足も、足首を縛られているらしく、動かすことが出来なかった。
(助けて)
そう叫ぼうとして、比呂子は猿轡を噛まされていることに気づいた。
「ううう…うううう」
比呂子が猿轡の下でうめいた。
「目が覚めたか」
野太い男の声がした。比呂子は懸命に顔を上げて、声のする方を向いた。そこには黒ずくめの服装で、スキンヘッドに無精ひげを生やしたゴリラのよう男が胡坐をかいていた。
「ひぃ…」
比呂子はとっさに逃げようと体を動かした。しかしもがくだけで、立ち上がることすらできなかった。
「ははは、慌てるなよ。いま楽にしてやるから待ってろ」
男はそう言うと近づいてきて、比呂子の腕を拘束している結束バンドをハサミで切った。そして足首を束ねているガムテープを剥がした。
「猿轡は自分で外せるだろ」
比呂子はよろよろと起き上がると、横座りになって、唾液でべとべとに濡れている猿轡を外した。その時になって、比呂子は自分が大きなベッドの上にいることに気が付いた。同じベッド上で、ゴリラのような男が獲物を狙うような目で、比呂子の体を舐めまわしていた。
「あ、あなたは誰ですか」
「そう慌てるなよ、吾妻比呂子さん」
「なんで、私の名前を知ってるの」
「寝ている間に、免許証を見せてもらったからね」
「それはどういうこと。そもそもここはどこで、あなたは誰?」
「えーとね、簡単に言うと、お前は売られてきたんだよ。さっき、お前を運んできた男から、俺がお前を買ったんだ」
「そんなわけないでしょ」
比呂子が気色ばんだ。
「間違いないんだよ、比呂子さん。現に俺はそいつにかなりのお金を払ったんだ。だから売られたお前は、今日からここで俺と一緒に暮らすことになる」
「ふざけないで」
比呂子は立ち上がるとベッドから飛び降りるとドアに突進し、ノブにしがみついた。しかしノブはピクリとも動かなかった。
「開けて。だれか助けて」
比呂子はドアをバンバン叩きながら、大声で叫んだ。
「ここは山の中の一軒家でね。いくら叫んでも聞こえないし、誰も助けに来ないよ。ほらこれを見てごらん」
男が反対側にある窓のカーテンを開けた。鉄格子がはまっている窓の外は漆黒の闇だった。
「ここから逃げるには、森の中を走って抜けなきゃならない。でもこの森にはマムシがうじゃうじゃいるからな。噛まれたらイチコロだよ」
恐怖のあまり、比呂子は半泣きになった。
「…分かりました。お金をあげるから、幾らでも払うから、私を帰して。お願い」
「残念ながら、俺が払った金はあんたが払える額じゃないんだよ。あんたは若くて可愛い顔してるし、みたところオッパイもお尻も太腿もプリプリだしさ、さぞかしアソコもハメ心地がいいんだろうなぁ。つまり思っている以上に、あんたの体は高いんだよ」
そう言うと、男は舌なめずりして、ベッドから降りてきた。
「やめてください。私を帰してください。お願い…」
ドアを背にして張り付いている比呂子に向って、男が薄ら笑いを浮かべながら、ずんずんと近づいてきた。
「いやぁ」
比呂子が男の脇をすり抜けて、逃げようとした瞬間、男の腕が比呂子の胸倉をつかんだ。そのまま肩に背負うと暴れる比呂子をものともせずベッドまで担いでいき、背負い投げで比呂子の体をベッドの上に叩きつけた。
「ぎゃあ」
ベッドの上とはいえ、背中から叩きつけられた比呂子はうめいた。しかし男はそんな様子は意に介さず、今度は脇の下に手を差し込むと、比呂子をすくうように立ち上がらせ、はらい腰で投げつけた。比呂子は再びベッドに叩きつけられて、うめき声を上げた。比呂子が怯んでいる隙に、男はカーディガンに手をかけると、背中から剥き上げ、一気に脱がしてしまった。
「やめてぇ」
カーディガンを剥ぎ取られた比呂子が体をかばうように、とっさに両腕をクロスさせて、胸をしっかりと隠した。しかし両脇を締めたぶん、両方の二の腕で乳房が寄せられて、こんもりと盛り上がってしまった。ブラトップの胸もとに、押し上げられた乳房がくっきりと谷間を作った。男は舌なめずりした。
「お前、ホントにたまんない女だな」
男は比呂子の腕と腕の間に、手を強引に差し込むと、ブラトップの襟もとをつかんだ。そして再び比呂子を無理やり引き付けると、ベッドの上に投げ飛ばした。
4回、5回、6回、7回…、投げ続けられた比呂子は、意識が朦朧としてきた。頭がくらくらして、目が回った。その比呂子の隙をついて、男はブラトップを引き剥がした。
「いやぁ、いやぁ」
上半身をブラジャーだけにされてしまった比呂子は、本能的に体を隠そうとベッドの上で丸まった。べそをかきながら丸まっている比呂子のお腹の部分に、男の大きな手が強引に割り込んできた。そしてスカートのフックを外し、ウエストを緩めると、無理やりスカートを脱がしていった。こうして比呂子はスカートも剥ぎ取られてしまった。
「さて次はオッパイを見せてもらおうかな」
男の手が素早く背中に回り、ブラのホックを外した。そして前に割り込んできた手がブラのカップをつかみ、強引にブラジャーをむしり取った。
「だめぇ。もうやめてください」
ブラジャーをむしり取られて、比呂子の目から大粒の涙がこぼれた。
「可愛いなぁ。すっ裸に黒いストッキングだけだと、まるでプロ・レスラーみたいだ」
男はそういうと、舐める様に比呂子の姿を眺めた。逃げ場を失った比呂子は壁際に張り付き、体育すわりの恰好で固まった。腕をクロスさせ、足を立てることで、懸命に体を隠すのだった。
「お前、オッパイ大きいよな。ちょっと揉ませてくれよ」
「いやです。絶対にいや」
「そんなこといったって、これから恥ずかしくて死にたくなるほど揉まれたり、吸われたりするんだから、諦めて自分からやらせたほうがいいよ。ワタシのオッパイ揉んで下さいとか、もっと強く吸ってとか、言ってみろよ」
比呂子は震えながら唇を噛んだ。
「じゃあ、遠慮なく揉ませてもらうよ」
そう言って、男がベッドの上に膝立ちになって、にじり寄ってきた。比呂子は全身に力を入れて、身を固くした。だが、胸を隠すことに懸命になっていた比呂子は、下半身を守ることがおろそかになっていた。その隙に男はやすやすと足首をつかみ、ぐいと両足を引っ張った。
「いやぁ」
両足を引っ張られて、比呂子はベッドの上を滑り、仰向けに伸ばされてしまった。すかさず男の両手がパンストの両脇をとらえ、膝の途中までパンストをずり下げた。
「やめてください。ダメです」
比呂子は両腕で胸を隠しながら、足をばたつかせて抵抗した。しかし男は怯まなかった。
「それっ」
男は仰向けになっている比呂子の足首をつかみ直すと、比呂子の体を折り曲げる様にして、足を顔の方へ近づけていく。ついに比呂子は足首をつかまれたまま、ベッドの上で二つ折りにされてしまった。
「どうだ。お前は知らないかもしれないけど、この格好をマングリ返しっていうんだ。マンコが丸見えだからマングリ返し。アダルト・ビデオじゃ有名な辱めのポーズなんだよ」
いやらしい物言いに、比呂子は泣きながらいやいやを繰り返した。男は笑いながら、マングリ返しの仕上げに入った。
「そらっ」
男は膝の間でひも状に伸びているストッキングをつかむと、それを比呂子の頭の後ろへとくぐらせた。ストッキングにからめとられた比呂子は、まるで耳の横から足が生えているような姿にされてしまった。身動きが出来ない比呂子に許されたのは、両腕で乳房を抱きかかえて隠すことだけだった。
「オッパイは隠せても、一番大事なところが丸見えだな」
男が言う通り、白い太腿の間に、比呂子の女唇がパンティに包まれてこんもりと膨らんでいるのが丸見えだった。そしてその膨らみを覗き込むように、股の間から比呂子の泣き顔が丸見えになっているであった。
「いやぁ、見ないで」
なんとか足を動かして膨らみを隠そうとしたが、いたずらに足がぶらぶらと動くだけだった。
「ははは、そうやって足を動かすと、ウサギの耳みたいだな。それにしてもお前は、アソコがずいぶん膨らんでるな」
男の指が無造作に太腿の間のパンティの膨らみを突いた。
「ぎゃ」
比呂子が体を痙攣させた。
「よく感じるんだな。感度抜群のモリマンだ」
男が比呂子の顔を覗き込んだ。
「知ってるだろ。普通の子よりアソコがこんもりと盛り上がっている女の子を、モリマンって呼ぶんだよ。お前も学生の頃、スクール水着を着たり、ブルマを履いたりしたんだろ。そん時に、他の女の子と比べて、アソコの三角がぷっくり膨れていたんじゃないか。同じように膨らんだ娘が、お前の他にもクラスに2、3人はいたかもな。男たちは女の子のそういう場所をキッチリ盗み見て、品定めしているんだよ。そして陰でこう言うのさ。モリマン比呂子って」
(違う。そんなことはない)
恥ずかしい呼び名に決めつけられて、比呂子は真っ赤になった。そして、べそをかきながら首を左右に振るのだった。
言葉で比呂子を辱めながら、男は黒いTシャツとスエット・パンツを脱いだ。裸になると、全身がゴリラのように筋肉で盛り上がっている。さらにトランクスの前に、大きなテントを張っていた。
「おれの名前は針山幸三だ。これから幸三さんって呼ぶんだぞ」
トランクスだけになった幸三がベッドの上に上がり、膝立ちで比呂子ににじり寄ってきた。
「もうたまらないな。今夜はこってり可愛がってやるからな。ほら、見てみろ」
そういうと幸三がトランクスを一気に下げた。トランクスの下から勢いよく飛び出したモノが、幸三の下腹を叩いた。それは赤ん坊の腕くらいありそうな、巨大でグロテスクなものだった。ギンギンに勃起している太くて長い先端には、肉色の瘤がてらてらと光って膨らんでいた。
(犯される…あんなものを入れられたら、壊れちゃう。絶対いやだ。誰か、助けて…)
比呂子は叫び出したかったが、恐怖で声も出なかった。
「俺は最低でも5回は出さないと満足できないんだ。朝まで可愛がってやるから、しっかりがんばるんだぞ」
そう言って、幸三は得意そうにモノをしごきながら笑った。

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