6.トイレでいかされた日

肉の記憶 麻里子二四歳

その日、鉄男が麻里子に出したリクエストは、ミニスカートに生足だった。

麻里子はそのリクエスト通り、約束の場所にカーキ色のミニのワンピースに生足という装いでやってきた。履いているミニスカートは中身が見えそうなほど短く、足元は珍しくヒールの高い黒いサンダルで決めていた。

「じゃーん」

おどけた麻里子が、ミニをたくし上げた。予想通り、麻里子はその下に黒いホットパンツを履いていた。

「驚いた?」

麻里子がにこにこしながら聞いてきた。

「最初から下に履いていると思ってたけど、見た瞬間、ドキっとした。凄くエロいよ」

「褒めてくれて、ありがとうね」

麻里子が満足そうに笑った。

「今日はどこへ行こうか?」

「最初に連れて行ってもらった、あの居酒屋がいいな」

麻里子の提案で、二人で初めて行った個室居酒屋に繰り出した。

ところが着いてみると、店では貸し切りのパーティーが行われており、カウンターの席しか空いていないという。渋々スタッフに案内されて向かった部屋は、店の隅っこに隔離されたような小部屋だった。

部屋の中に入ると、窓辺に申し訳程度に二メートル足らずのカウンターがついていて、二人がけの籐のベンチシートがポツリと置いてある。いかにも余ったスペースに余った家具で、急増でこしらえたような部屋だった。しかしその分、誰にも邪魔されず気兼ねなく寛げそうで、鉄男は気に入った。並んで座る籐のベンチに、二人をすっぽりと包むような背もたれがついているのも嬉しかった。

「なんだか危ないなぁ」

ベンチシートに並んで座ると、開口一番、麻里子がそう言った。

「なにが?」

「こんなにくっついて座ると、鉄ちゃんが悪いことをしそうで怖いよ」

「しかも生足だしね」

「そうだよ。やっぱりお店変えようか?」

「ダメだ。ここで飲もう」

椅子の隅っこに逃げ込む麻里子を追い詰めながら、鉄男は笑って答えた。

結局、最初は警戒していた麻里子も、運ばれてきたビールで乾杯し、料理を食べながら焼酎のボトルを飲みだした頃には、いつものようにリラックスしてきた。

「あっちは大合コン大会らしいよ。すごい人数で盛り上がっているみたい」

ほどよくお酒がすすんだ頃、トイレから帰ってきた麻里子が店の様子を報告した。

「この部屋はトイレも専用になっていたから、並ばないで助かったけどね」

麻里子の言う合コン大会は民間のサークルが主催しているもので、初対面の若い男女が部屋をぐるぐる入れ替わって、お見合いパーティーを繰り広げているらしかった。

「今は凄いね。オレたちが若い頃は、まさか世の中がこうなるとは想像もつかなかった」

「鉄ちゃんが学生の頃は、出会いの場がなかったの?」

「皆無だね。柔道部だしね。しかも携帯電話なんてないから、デートに誘うのも女の子の家に直接電話をかけなければならなかった。当然、彼女の家族が出るわけよ」

「わー、それは大変だ」

麻里子が手にしたグラスから、ソーダ割りの焼酎をグビリと飲んだ。

「今みたいに合コン三昧なんて羨ましいよ」

「でも今は簡単に出会えるから、みんな淡白だったりして」

「そうなの?」

「だって、出会ったありがたみが薄いもの」

「なるほどね。じゃあ、昔風に麻里子とは濃い付き合いをしようか?」

そう言って鉄男は麻里子の肩に腕を回した。麻里子は迫ってきた鉄男を無視するかのように、視線を合わさずに窓の外を眺め、グラスの焼酎をちびちびと舐め始めた。鉄男は回した手を麻里子の頭に置き、ゆっくりと髪を撫でた。

しばらく撫でていると麻里子が頭を倒し、体を寄せてきた。

「なんだか気持よくなってきた」

相変わらず窓の外をぼんやりと見ながら、麻里子がぽつりと言った。鉄男は麻里子の反応がおだやかなのをいいことに、肩に回した腕を徐々にエスカレートさせていった。

手始めに肩をぎゅっと抱き寄せる。吸い付くように柔らかい、麻里子の体の感触が嬉しかった。恐る恐る顔を伺うと、麻里子はまだ目を閉じていた。そして両手で持ったグラスを口から離し膝の上に置くと、小さなため息をついた。

「キスしようよ」

鉄男は耳元で囁いた。

「だ、だめだよ。お店の人が来るから」

麻里子が目をつぶったまま小声で答えた。

「大丈夫だよ。ちょっとだけ」

そういうと鉄男は麻里子の口唇を奪った。軽いフレンチ・キスをして顔を離すと、麻里子がぱっちりと目を開けて笑った。

「ふふふ、強引だね…でも、いまのキス良かった」

その言葉を封じるように、鉄男は再び口唇を被せた。そして今度は麻里子の口唇を甘咬みしながら口を開かせると、その中へ強引に舌を差し入れた。

「…うう、ううん」

舌を吸い上げる代わりに、麻里子がやんわりと鉄男の胸を押し返してきた。

「だめだって。店員さんが来るってば」

「来たら離れればいいじゃない」

「そんなのバレちゃうって」

麻里子は鉄男の腕の中から逃れようと軽くもがいた。鉄男はその動きに乗じて、肩を抱いていた手を脇の下にすべらせた。そして強引に手を差し込むと、腋の下から乳房の膨らみを握った。

「ああん、もう、ダメって言ってるでしょ」

「絶対バレないから、平気だよ。いいだろ」

「もう、ひどいなぁ。絶対にマリの言うこときかないんだから」

麻里子がむくれた素振りを見せた。それに構わず、鉄男は乳房を揉み続けた。

「だって、麻里子のオッパイが気持ちいいんだもん。今日あった時から、ずっと触りたかったんだよ」

「もう、胸だけだからね。それ以上したら怒るから」

麻里子が呆れ顔で言った。許可を得た鉄男は、さらに力を入れて乳房を絞り上げた。

「あれ?なんか今日はいつもと違う。柔らかいな?」

鉄男がそう言うと麻里子がニヤリとした。

「やっと気がついた。今日は下着が違うんだ」

「ええ?どんな下着なの?教えてくれよ」

驚いた鉄男に、麻里子が得意げな顔つきになった。

「今日のブラはカップがないタイプなの。その部分がレースみたいな薄い布で、オッパイを包み込むようになっている。だから上から触っても柔らかいわけ」

「どういうこと?ちょっと覗かせてよ」

鉄男がワンピースの前を引っ張って中を覗こうとした。麻里子が慌てて胸元を抑えた。

「ダメ、見たら」

「ちょっとだけ、お願い!すぐにやめるから、お願い!」

「もう、ホントにスケベだな」

麻里子が呆れて胸元に置いた手を緩めた隙に、鉄男はガッツリと覗いた。

麻里子が言うように、ストラップやカップ周りのフレームはあるものの、肝心のブラカップが白いストッキングのような布地で出来ていた。もちろん透けているので、乳首もあからさまに見えている。

乳房はすでに尖っており、薄い布地を押し上げている様がエロかった。

「うわぁ、凄くエロいよ」

「うれしい?」

「もう踊りだしたいくらいだ」

鉄男の物言いに、思わず麻里子が笑った。

「これは普通のブラより、つけていて楽なんだけど、めったにつけないやつなんだ」

「どうして?」

「だって揺れるし、ノーブラみたいなもんだから、あんまり愛用すると胸の形も崩れるじゃない」

「じゃあ、今日は特別なんだ?」

「そう、大サービスだよ」

「ねぇ、下はどうなってるの?」

「やっぱりね。聞くと思った。でも、それは絶対に秘密だよ」

麻里子が口を尖らせて、意地悪そうに言った。

「なんだよ、けち。じゃあ、どういうやつか当てるから触らせてよ」

「えー、どういうこと?」

「前のチャックから指だけ入れさせて。それで触って当てるから」

「そんなのイヤ。ダメに決ってるでしょ。絶対にダメ」

麻里子が目をむいて言い張った。

「でもさっきから店員は一回も来ないし、料理だってもう注文したのは全部出てる。向こうの合コンが忙しくて、ベルで呼ばない限り、こっちには誰も来ないって」

たしかに鉄男たちが座っている席は、入口から入って団体席の反対側にあり、完全に独立しているスペースだった。そのために普段でもベルで呼ばない限り、店員がやってくる心配はなかった。

「監視カメラもないし、絶対にバレないって。ねぇ、だからいいだろ。面白いから、クイズだと思ってやろうよ」

鉄男のいつもの強引さに麻里子が押され始めた。ここぞとばかりに鉄男はホットパンツの前に手をあてると、前チャックのつまみを探った。麻里子は引き離そうとしたが、鉄男の腕力にはかなわなかった。

「…もう強引だなぁ」

ついに麻里子が降参した。鉄男は嬉々としてホットパンツの前チャックを開くと、人差し指を中に入れた。

「ほう、なるほど」

わざとおどけたフリをして、鉄男は麻里子のホットパンツの中を指で探りだした。麻里子は、最初はふくれっ面を装っていたが、鉄男の指の感触に耐え切れずに笑い出した。

「やだ、鉄ちゃん。くすぐったいよ」

スベスベした下腹を探って下に降りていくと、ようやく指がパンティのゴムらしきラインに突き当たった。それは思ったよりかなり下にあった。つまりパンティの股上が浅く、相当なビキニであるということだ。

「すっげぇビキニじゃない」

「そうなんだけどさ。もう危ないなぁ。絶対、中に指とか入れないでよ」

麻里子が釘を刺してきた。

「わかってるよ」

そういいながら、鉄男の指はゴムのラインを通過して、その下を撫でるように探った。思った通り、それはブラのカップと同じような薄い布地でできていた。指で探ると、布の下にある草むらのざらざらとした感触がはっきりとわかった。

「これは絶対に透けてる。すごくエッチなやつだ」

大げさに驚いた鉄男の物言いに、麻里子が思わず笑った。

「ねぇ、これだとお尻の割れ目が隠しきれないで、割れ目が飛び出しているでしょ?」

「もう、いやだ。そんなの出してないよ…ギリギリ大丈夫になってるの」

「でも透けてるから、お尻の割れ目は丸見えだね?」

「知らないし、知ってても教えない」

「前の割れ目も見える?」

「やだもう、変なこと言わないで。絶対に教えないから」

「いいじゃないか。教えてくれよ」

そう言いながら、鉄男は指をさらに下にすべらせ、スジが刻まれているはずの膨らみの裾野を捉えようとした。

「はい、もうおしまいね」

麻里子が寸前のところで鉄男の腕を取ると指を引き抜き、前チャックを閉めた。

鉄男は諦めきれず、今度は麻里子の太腿の上に手を載せた。

「こら、鉄ちゃん。ダメだってば」

麻里子の制止を振りきって、鉄男は太腿の間に強引に手を割りこませた。そしてむっちりと張り詰めている内腿をぎゅっと握った。

「あああん」

麻里子がため息とともに、小さな喘ぎ声をもらした。

「もう、おかしくなっちゃうよ」

麻里子が囁きながら、内腿を掴んでいる腕を抱くようにして、体を密着させてきた。麻里子の乳房が腕にあたり、押し付けられて広がる感触が嬉しかった。

鉄男は麻里子の片手をとると、自分の股間にもっていった。そこははちきれそうなほど力が漲って、カチカチに固くなっていた。

麻里子がズボンの上から優しく握った。そしてゆっくりと撫で始めた。

「麻里子、我慢出来ないよ。ここでしてくれよ」

鉄男がそう囁くと、麻里子が耳元に顔を寄せてきた。

「いいよ。口でしてあげる」

麻里子はそう囁くと、鉄男の耳をペロリと舐めた。

痺れそうな感覚の中で、鉄男は自分のお腹の前にある麻里子の後頭部を見つめていた。前チャックから取り出した鉄男を優しく握り締めると、麻里子は先端に軽く口づけした。そして舌を巧みに滑らせて、くまなく鉄男の先端を舐め回し始めた。時折、舌を休めて、熱い息を吹きかける。そのテクニックに翻弄された鉄男は思わずうめいた。

「ううう、麻里子。じらさないで咥えてくれよ」

「ふふふ、だめ。もう少し我慢して」

麻里子はわざとゆっくりとした動きで、舌をつぼめると鉄男の先端をチロチロと舐めた。

「我慢出来ないよ」

「いつもマリに凄いことするから、今日はそのお返しだよ」

可笑しそうにそう言うと、麻里子は裏筋をペロリと舐めた。

我慢できなくなった鉄男は、手で麻里子の胸を探り、乳房を思い切り絞り上げた。

「あああん」

鉄男の反撃に、今度は麻里子が喘いだ。そしてそれに対抗するかのように、鉄男をすっぽりと咥え込んだ。

いやらしい音を響かせながら、麻里子が口をすぼめてストロークを始めた。温かくヌルヌルとした口の中の感触に、鉄男は早くも爆発しそうだった。

(裸を見られるのも嫌がった小暮麻里子が、明るい店の中で自分から喜んでしゃぶっている。いいぞ。もっと淫乱な女にしてやるからな)

異常に興奮した鉄男は、麻里子の乳房を絞りながら、あっけなく精汁を放った。麻里子はそれを当然のように受け止めて、ゴクリと呑み込んだ。

全てを綺麗に舐めとった後、ようやく麻里子が顔を上げた。ずっと下を向いていたせいか、あるいは自らの酔いと興奮も手伝ってか、麻里子は真っ赤な顔をしていた。目の焦点がどことなく定まらないような、ぼんやりとした表情だった。

「どう?満足した?」

「凄く良かったよ。もう麻里子なしでは生きていけないよ」

麻里子がクスリと笑った。

「ちょっとトイレに行ってくるね」

そう言い残すと、麻里子がふらつきながら部屋を出ていった。

(たまらない女だな。あんなにいい体をしていて、よく濡れるし、フェラも上手いし、いやがらずに飲んでくれる。しかもどんどんスケベになっていく。本当に、もう手放せないかもしれない)

鉄男は興奮を覚まそうと、グラスに残っていた焼酎の水割りを一気に飲んだ。

一息つくと携帯電話が鳴った。

(誰だろう?)

開いてみると、麻里子からメールが着ていた。

『トイレで酔って動けない。助けに来て! マリ』

鉄男は慌ててトイレに向かった。

化粧室と書かれた扉を開けるとその中は洗面所になっていて、その奥にトイレの扉があった。鉄男は介抱しているところに誰かが乱入しないよう、念の為に洗面所の扉に鍵をかけた。

「麻里子、大丈夫?」

小声で呼びながらトイレのドアをノックする。鍵が開く音がして、ドアが細く開いた。ドアの隙間から鉄男が中を覗くと、麻里子は立っていて、しかもこちらを見て笑っていた。

「どうしたんだよ」

その言葉を遮るように麻里子は鉄男の手を握ると、思い切りトイレの中に引きずり込んだ。

「あっ」

不意をつかれた鉄男が、たたらを踏んでトイレの中に入った。麻里子は入れ違うように鉄男を中に引きずり込むと、後ろ手にトイレのドアを閉め、鍵をかけた。

焦点の定まらない目をした麻里子は、首筋から顔が真っ赤に火照っていて、ドキリとするほど色っぽかった。

「鉄ちゃん、私も欲しくなっちゃった」

そう囁くと、麻里子がしがみついてきた。鉄男はがっちりと抱きとめ、麻里子の口唇を奪った。舌をからめとって強く吸い込むと、麻里子がくぐもった声をあげた。

「ねぇ、マリにもして」

「分かった。お返しにたっぷり舐めてあげるよ」

「いや。…そうじゃないの。指とか舌とかじゃなくて…お願い、ここでして」

「えっ」

鉄男が驚く番だった。麻里子の意外な反応に、鉄男は再び力が漲ってくるのを感じた。

(そういうことか。これで攻守逆転だな。よし、思いっ切りいじめてやる)

「なんだよ。ちゃんと言わないとわからないよ」

鉄男は余裕を取り戻して、麻里子を言葉責めで問い詰めていった。

「意地悪しないで。…ちゃんとして欲しいの」

「何を?」

「わかってるでしょ…アレを我慢出来ないの。奥まで入れて、マリをメチャメチャにして欲しいの」

とうとう麻里子が小声で白状した。

トイレの中でお尻を丸出しにした麻里子が、前かがみなった。便座をまたぎ、両手はトイレのタンクの上を掴んでいる。鉄男がお尻の割れ目から指を下に這わせていくと、そこはすでにヌルヌルになっていた。

「麻里子。凄く濡れてるぞ」

「あああん、早くちょうだい」

鉄男はカチカチになったものを取り出すと、後ろから一気に貫いた。

「ああん」

麻里子が喘いだ。鉄男は右手を麻里子の口に回すと、親指を口の中にねじ込んで、掌で口を覆った。親指を使って口の中をこね回し、さらに左手で乳房を乱暴にこね上げた。そうしながら、早いストロークで、鉄男は腰を打ち始めた。

「はっ、はっ、はっ…」

ため息を吐くように、麻里子が喘ぎ声を上げた。

「お尻も指でしてやろうか?」

右手を口から外し、鉄男が囁いた。

「分かんない。ああ…もう、鉄ちゃんの好きにして。早くお尻もめちゃめちゃにして」

鉄男は乳房を捏ね上げる手を右手に変えると、左手をお尻に這わせた。そして中指を麻里子の内股を濡らしている涎で湿らせると、一気にアヌスに押し込んだ。第二関節までなんなく埋まった中指をグリグリ回転させながら、鉄男は麻里子を追い上げていった。

「麻里子。気を抜かないで、締めてみろ」

「うん、ふん」

麻里子が下腹に力を入れて締めてきた。アヌスがすぼまって、きゅっと指を締める。それと同時に、鉄男のストロークに吸いついてくる力がぐっと強まった。きつきつになった吸いつきの中で、鉄男は早くも爆発しそうだった。

「麻里子の大好きな、潮を吹かせてやる」

鉄男はアヌスから指を抜くと、その手を前に回し、クリを探った。

「いやあん。潮、ダメ。もう…あああん」

すでにぷっくりとふくれているそれをつまみ上げると、麻里子が激しく反応した。

鉄男は再び麻里子の口を抑えると、クリをしごき始めた。

「はっ、はっ、はっ…」

追い上げられた麻里子がピュッピュッとほとばしり、便座のふた上に水たまりを作った。そして体をわなわなと痙攣させると、絶頂へとかけ登っていった。

いままでに感じたことのない、きつい締め付けの中で、鉄男もありったけの精汁を放った。

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