7.秘密のピアス

売られた女 比呂子

「比呂子をお前にやるなんて、いつ言った?ふざけたことをぬかすんじゃない」
幸三の張り手が省吾の頬を襲った。パシンという音とともに、省吾がよろけて尻もちをついた。
「いない間に勝手な真似をしやがって。比呂子は大事な商品なんだぞ。俺が丹念に仕込んでいるというのに、勝手な真似しやがって、比呂子の体に何をした」
省吾は幸三の怒りに震えながら、押し黙っていた。
「ちょっと体を見せてみろ」
幸三がベッドの上で正座している比呂子に命じた。だが比呂子は両腕で胸と股間を抑え、頑なに動こうとはしなかった。業を煮やした幸三はベッドに上がると、比呂子を仰向けに突き倒した。
「いや、やめて。見ないでください」
比呂子がいやがるのを無視して、幸三は両足首をつかむと比呂子を大股開きにし、その股の間を覗き込んだ。
「なんだ、これは?」
比呂子の女のひだを、一本の金色の細い棒が貫いていた。棒の真ん中には金属の球が仕込んであり、それはちょうど比呂子のクリトリスを刺激する位置に収められいた。さらに左右のひだを貫通しているその棒は、それぞれが小さな球で止められていて、棒がひだから抜けない仕組みになっているのだった。
「これはどういうことだ」
幸三が省吾を睨みつけた。
「ピアスだよ。比呂子がボク以外の男と浮気しないように、ピアスをつけてあそこを狭くしたんだよ。簡単に言えば貞操帯みたいなもんだよ」
「つまりお前のアスパラみたいな細マラ以外は通らないように、閂をかけたということか?」
「そ、そうだよ」
「この馬鹿がくだらないことしやがって。じゃあ比呂子とは、俺にもやらせないということか」
「兄ちゃんだけがダメということじゃない。ボク以外の男は誰にもやらせないということなんだ。兄ちゃん、お願いだよ。比呂子をボクの嫁にくれよ」
幸三がため息をついた。
「東南アジアにいる、日本の女を待っている俺たちの大事なお客様はどうするんだ。そのために俺たちは危ない橋を渡って、比呂子をさらったんだぞ」
「分かってる。だから、売り飛ばす女は、もう一回、村上にやらせればいいじゃないか。ともかくボクは比呂子をお嫁さんにしたいんだ。早く比呂子のお腹にボクの子供を植え付けたいんだ」
「あきれたやつだな。そんなこと言って、また飽きたら殺しちゃうんじゃないのか」
「そんなことしないよ。それに比呂子も約束してくれたんだ。ボクの赤ちゃんを産むって」
「そりゃ本当か」
幸三が驚いて、比呂子の顔を覗き込んだ。比呂子は唇を固く噛んで、おし黙っていた。幸三が間接的に言った、省吾は飽きたら簡単に女を殺すという衝撃的な言葉に、比呂子は恐ろしさのあまり顔面が蒼白なっていた。
「まあ、やっちまったことは仕方ないな。ところでこんなものをつけて、比呂子はちゃんと歩けるのか?トイレに行ったり、風呂に入ったりできるのか」
「最初は痛がったけど、すぐに慣れて。今は大丈夫だよ」
「比呂子、歩いてみろ」
幸三に命じられて、比呂子はベッドの端までよろよろといざっていくと、床に降りて歩いてみせた。女の一番大切な、秘密の部分をピアスで貫かれているせいか、比呂子は太腿を締めて、内股気味にしずしずと足を運んだ。
「なんだ。ちょっと色気があるな」
その姿を見て、幸三が笑った。
「そうだろ。比呂子はピアスのお陰で、あそこに意識が集注してしまうんだ。つまり本人はいやでも、いつでも自分が女であり、濡れる存在だって意識してしまうんだよ。だから、自然と色気も出てくる」
「ものもいいようだな」
「でも最大の目的は、ボクの細いチンチンでも比呂子が喜ぶように細工したんだよ。だから、もう兄ちゃんのデカマラは入らないよ。そんんことをしたら大事なアソコが裂けちゃうからね。因みにピアスの両端の球は強力接着剤を塗ってねじ込んであるから、絶対に外れないよ」
「まったくふざけるな、バカが」
幸三の表情が許しをにじませて、優しくなってきたので省吾は安心した。
「ここまで来るには結構、苦労したんだ。でもボクの比呂子を愛する気持ちは本物なんだ。比呂子も最初は痛がっていたけど、今じゃ、凄くよがるようになったんだよ。兄ちゃんにも声をきかせてやるよ」
「もう勝手にしろ」
そう言い放つと幸三が部屋を出ていった。
「さあ、邪魔者がいなくなったよ。たっぷり愛し合おうね」
そういうと省吾は比呂子を抱きしめて、そのままベッドに押し倒した。
(こんな体にされて、もう私はどこへも逃げられない)
比呂子はべそをかきながらも、省吾が愛撫してくるピアスによって、あっという間に股間をしとどに濡らすのだった。そして、すさまじい快感の世界に落ちていった。
省吾はこの日も、比呂子を何度も、何度も犯し続けた。

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