4.初めてのお仕置き

からめとられた百合花

約束の時間にマンションに戻ってきた剛田は、着飾った百合花の姿をうっとりと眺めた。白地に百合の花の模様があしらってあるひざ丈のワンピースは、上品で趣味のいいものだった。その下の黒いストッキングが、少し大人びた色気を感じさせ、好ましかった。ワンピースのゆったりとしたシルエットは、百合花の豊かな胸のラインをうまく隠していた。一方、ワンピースの素材がシルクなので、体の動きにまとわりつき、百合花の尻や下腹や太腿の、なまめかしい体の線をみせつけてくるのだった。剛田はそのままベッド上に押し倒したくなる衝動を抑えた。

2人は高級ホテルの最上階にあるフレンチ・レストランで食事をしたあと、スイート・ルームに入った。カーテンが明け放された室内は、間接照明が上質な陰影を作っていて、窓の外には宝石のようにきらめく夜景が広がっていた。
「では結婚の誓いの儀式を始めよう。まず、わしの前に来て座りなさい」
キングサイズのベッドの端に腰かけた剛田が百合花に命じた。百合花は靴を脱ぐと、言われるがままに、向かい合って絨毯の上に正座した。そして剛田の口伝てに、誓いの言葉を復唱させられた。
「…私、松崎百合花は剛田達吉さんの妻として、一生尽くすことを誓います」
「その言葉に嘘はないかね」
「…はい」
「では聞くが、今日、お父さんの病室で会っていた男は誰かね」
突然の質問に、百合花はぎょっとした。
「それは…」
「答えられないのか」
「…」
「ならばわしが言ってやろう。あの男はお前の家庭教師だった井上という男だろ」
(なぜ知ってるの)
百合花は戸惑った。
「そのくらいの調べはついているんだ。そうじゃなきゃ結婚なんかできないよな」
(この男は前から私のことを調べていた。つまり前から私のことを狙っていたんだ)
真実に気付いた百合花は恐怖に身がすくんだ。
「あの病室は24時間、監視カメラで見張られているんだよ。もちろんそれはお父さんの病状を見守るためだ。そのカメラにお前が映って、こともあろうか若い男と抱き合ってキスまでするなんて…。モニターしていた病院のスタッフたちも驚いたそうだ。わしもとんだ恥をかかされたよ」
(あの病室の秘密の出来事が、病院中に知れ渡っている)
百合花は恥ずかしさに顔が火照ってきた。
「井上とはああやって年中キスしているのか?…答えなさい」
剛田が答えを催促するように、ベッドをバンと叩いた。
「し、していません」
「本当か?」
「本当です」
「では今日が初めてのキスということか?」
百合花がうなずいた。
「あの男以外に、キスをしたことがある男はいるのか?」
「いません」
剛田がにやりと笑った。
「では、お前のファースト・キスを奪ったのはわしか?」
百合花が無言でうなずいた。
「ちゃんと言葉にして答えなさい」
「私の、私の初めてのキスは…剛田さんです」
「そうか。ふふふ、それならいいだろう。今回だけは特別に許してやろう」
そう言って、剛田が舌なめずりをした。
「もう二度と井上には会うな。約束だぞ」
「もう二度と会いません」
「もし約束を破ったら、どういう目に合うか分かっているな」
「はい。もう、しません」
「では聞くが、お前の体はまだ男を知らないのか?
「…」
「答えなさい。お前は処女なのか?」
「…はい」
「そうか。では誓いの言葉を言いなさい」
百合花は剛田が言う通りに、誓いの言葉を言わされた。
「私、百合花は剛田さんに処女を捧げます。これから一生涯、百合花を毎日可愛がってください」
言いながら百合花は、恥ずかしさで真っ赤になった。
「ふふふふ、よく言えたな」
剛田が満足げに笑った。
「では立ち上がりなさい」
百合花がすらりと立ち上がった。それは間接照明の中で、ひときわ輝くあでやかな立ち姿だった。剛田はうっとりとした。
「早速、可愛がってやるから、服を脱ぎなさい」
「えっ?」
「聞こえないのか、今すぐ裸になれといってるんだ」
「電気を消してください」
「だめだ。わしはお前の裸が見たいんだ。男を知らない、お前の裸を心ゆくまで見ておきたいんだよ」
あまりの恥ずかしさに、百合花は泣きそうになった。しかし逆らうことは許されなかった。仕方なく手を後ろに回すと、百合花は背中のジッパーをおろした。そしてためらいながら腕と肩を抜くと、ワンピースがはらりと床に落ちた。白いスリップに黒のストッキング姿になった百合花が、肉感的な体の線を露わにしてきた。その姿に剛田は興奮し、股間が固く脈打ってくるのを感じた。
「次はどうするんだ」
剛田の命令に、百合花はスリップの肩紐を外すと、床に落とした。そしてストッキングに指をかけると、ブラを隠すように前かがみなり、片足ずつ静かに脱いでいった。
「うーん。思った以上にいいカラダだ。そのまま後ろを向いてごらん」
白いレースのブラとパンティだけにされてしまった百合花が、お尻を両手で隠しながら、後を向いた。
「お尻が見えないよ。手を外しなさい」
百合花がためらいがちに気をつけの姿勢をとった。そこに現れたのは見事な尻だった。むちっとした太腿の上に、一段持ち上がるようにしてお尻の肉が盛り上がっていて、まさに日本人離れしたヒップ・アップだった。剛田は立ち上がると、百合花に近づいた。
「絶対に動くなよ」
そう命じると、剛田は両手の人差し指を、百合花のお尻を覆っているパンティの裾からその中へと潜り込ませた。
「はん」
突然襲ってきた剛田の指の感触に、百合花がびくっと震えた。そのまま剛田の指が左右のパンティの裾をTバックのようにたくし上げていく。こうしてお尻の谷間にパンティを埋め込まれてしまった百合花は、お尻を丸出しにされてしまった。
「もう、ゆるしてください」
恥ずかしさに耐え切れず、百合花が懇願した。
「だめだ」
剛田はそれを許さず、丸見えになった百合花のお尻をゆっくりと撫で上げるのだった。
「ああああ」
「こうされると気持ちかいいだろ。もっと可愛い声をあげなさい」
剛田はそういうと、百合花の裸のお尻をやさしく揉み始めた。
「はん、はん、ああああ」
キスを無理やり奪われた挙句、裸のお尻を撫でまわされ、百合花はパニックになった。お尻を這いまわる剛田の指に、女の本能が呼び起こされ、ため息ともよがり声ともつかないものが体の奥から湧き上がってくる。百合花ははしたない声を上げまいと、必死になって耐えていた。
「そろそろ甘い声が聞けそうだな」
剛田はようやくお尻から手を離すと、前に回った。そして跪くと、百合花の下腹の三角地帯に鼻を押し当てた。
「やめてください」
百合花は、本能的に体を引こうとした。しかし剛田はしっかりと両腕を回し、それを許さなかった。
「そんなことしないでください」
「だめだ。わしの後頭部に手をあてて、わしの顔をもっと股間に押し付けるんだ」
剛田が、とんでもなく卑猥な命令を下した。逆らうことが許されない百合花は、剛田の後頭部に手を回すと、とうとうその顔を自らの股間の膨らみに押し付けるのだった。剛田はクンクンとわざと音を立てて、百合花の膨らみの匂いを嗅いだ。パンティを通して、甘い女の香りが漂ってきた。
「可愛い百合花。今はどんな気持ちだ」
「恥ずかしいです」
消え入りそうな声で百合花が答えた。
「そうか、恥ずかしいか。でもすぐになれるよ。そして狂ったように気持ちよくなっていくんだよ」
剛田はわざと音を立てながら、百合花の股間を嗅ぎまわった。女の子の膨らみに押し付けられた鼻先が、微妙な刺激を与えてきた。同時にうごき回る唇が、そよぐように百合花の太腿を撫でていった。
(もうダメだ。変にされてしまう…)
百合花は股の奥のパンティのクロッチが、薄っすらと湿ってくるのを感じていた。

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